「ソーシャル、日本の挑戦者たち」次なる登場企業はシンフォニーです。同社は『ぼくのレストラン2』や『ガルコレ』といったソーシャルゲームを提供しています。『ぼくのレストラン2』はGREE Platform Award 2010 で「特別賞」も受賞する人気作になりました。同社の代表取締役の安徳孝平氏とテクニカル・リードの前田博敏氏にお話を伺いました。―――開発と企画のところですが、基本的な体制って1アプリくらい何名くらいですか?前田: プロデューサーが1名、リードエンジニアが1名、アートディレクターが1名、エンジニアが2,3名、デザイナーが1,2名ぐらいですね。多い場合だとこれくらいです。―――デザイナーは内製ですか?前田: いえ、外注でも使っています。―――キャラクターとかアイテムは基本的に外注ですか?前田: そうですね。あとは社内で最終チェックをしたりですとか、あとはやはり開発のながれが早いんで、急にこれが必要となったときは社内でも対応しています。―――運用フェーズに入ってからの人員の変更ってありますか?前田: 変わりないですね。開発ボリュームによっては増やしたり、入れ替えだとかで多少増減ありますけど、基本的には変えていないです。―――だいたい開発体制はSAPの普通の形になっている思うのですが、なにか自社内で開発面での特徴・アピールポイントはありますか?前田: 自社はframeworkが便利で、オープンソーシャル系の色々なプラットフォームを全部吸収できるようになっています。そのため基本新規開発するときはゲームのロジックを作ることに専念できるようになっています。―――ではもう各プラットフォームのAPIは対応済みということですね。前田: そうですね。―――それはどなたが作られたのですか?前田: それは私が最初からやりました。弊社はモバゲーさん用に対応するとかGREEさん用になにか開発するとかはないですね。1個つくると、基本的にボタン一つで全部だせます。―――すごいですね。そこまでいってるところってどれぐらいあるとお考えですか?前田: あまりないんじゃないでしょうかね。最初吸収させるところは大変でしたが、そのあとは基本的に全部問題なく動きますね。―――基本LAMPエンジニアさんはそこの違いに苦戦しますが、その点では入りやすいといったところですね。前田: そうですね。良いか悪いか別にしてエンジニアはそこに気づいていないというか理解していないとおもいますね。今はスマートフォンの吸収をお願いしているところです。前田: あとはHTMLでは書かないですね。全部デザインテンプレートの組み合わせでつくっているので、HTMLコーディングゼロでアプリケーションがつくれます。―――デザインテンプレートの組み合わせとは?前田: モジュールがあって画像があってテキストがあるとか、それを全部つくってあるので、それを組み合わせて作るだけですね。―――じゃあ内容を差し替えかりするだけでできると。前田: そうですね。色とか文字をいれる中身をPHPのコーディングでできるという形です。auでくずれるとかあるじゃないですか、そういうのも全部吸収しているので。―――そのへんは御社のアピールとして発信してるんですか?前田: いえよくわかってないです(笑)。そこ出していかないともったいないですね。―――他になにか開発環境の特徴とかありますか?前田: 数値を非常に重視してまして、社内でかなりの量の指標数値を共有して、そこから次につなげる改善をおこなっています。―――それはいわゆるARPU等のデータを色々な形にきってまとめてという感じで?前田: そうですね。主要なものに対して、それに基づく色々なアクションの利用率等を色々と集めます。それもツールを作るframeworkをつくっていて、集めたい項目をエンジニアがかけばすぐグラフにできるようになっています。―――それはフリーの解析用アプリケーションつかって?前田: 自前のものを使ってます。―――それはエンジニアのかたが仮説をもって自分でデータをだして検証しているということですか?前田: そうですね。―――そのあたりに興味がないエンジニアさんとかどうするんですか?前田: 興味をもってもらうようにしています。やはり自分で考えてつくって数字があがるということは楽しいことですので。―――トラフィックが相当あると思いますが、どれくらいですか?前田: GREEだけで月間あよそ15億PVですね。―――インフラはどうしました?何か思考錯誤はありましたか?前田: 相当しましたね。EC2を一回断念してリアルサーバーにかえて..―――自前にサーバーを結構持っているということですか?前田: データセンターを持ってます。―――他に他社と違う現場のおもしろみはありますか?前田: やはりエンジニアが数字みてやることきめられて結果まで責任をおうというのは意外と他社様ではやれないことだと思いますね。―――ゼロからのエンジニア発企画もOKですか?前田: OKです!―――稼働時間はどのような感じですか?前田: 障害対応を除いて、泊まるということはほぼないですね。基本的には残業は決してゼロではありませんが、毎週水曜日と金曜日は早く帰ろうデーということになっています。基本的にやめる人とかもいませんね。―――平均年齢的にも、、前田: 基本みんな疲れちゃう前に帰ってます。親父なので(笑)―――企画・開発全体でここを伸ばしたいというところとかありますか?前田: 単純にボリュームがあればもっとやれるというところですね。基本的に各チームはよくまわっているので、この文化のままもっと増やせて行ければと考えています。―――理想的ですよね。今から新規チームをやるとしても回る絵がきちんとできていますね。前田: そうですね。基本的な、開発してデータ解析してという流れの共有ができていますね。―――オリジナル以外に版権でやりたいとか、レストランアプリをマーケティングで使いたい企業との連携等を考えていたりしますか?前田: 版権ものはとれれば集客ができるので、条件次第ではやりたいなと考えています。実際にリアルのところは牛角さんや横浜ベイシュラトンさんと連携していてしっかり送客ができています。■著者紹介株式会社HatchUp 八反田智和1980年鹿児島県生まれ。慶応義塾大学卒。楽天リサーチ、外資広告代理店でのインタラクティブプロデューサーを経験した後、2009年より、ソーシャルゲーム業界に入る。WEB系人材会社営業(ソーシャル担当)を経て、2010年よりソーシャル企業支援会社HatchUpを設立、現在に至る。ソーシャル系イベント【STR】およびブログ(http://socialtoprunners.jp/)を運営している。
2012年のソーシャルゲーム業界を振り返る!業界トップ企業が集結する「SocialTopRunnrs!」開催・・・「ソーシャル、日本の挑戦者たち」番外編 2012.11.29 Thu 今回は、取材担当の八反田が所属するHatchUpによるソーシャルx…