
ゲームデベロッパーBig Ant StudiosのCEOロス・シモンズ氏はTwitterにて、同社が開発したスポーツゲーム『Cricket 22: The Official Game of The Ashes(Criket 22)』で導入している違法コピー&ダウンロード対策を紹介しました。
1970年頃から流行りだしたといわれるビデオゲームの違法コピー。現代ではネットが普及した結果、それらを違法アップロードしたり、それらをダウンロードしたりするユーザーが確認されるようになりました。
これら違法な手段で配布・入手されたゲームは海賊版と呼ばれており、近年では“動作パフォーマンスを低下させてしまう”問題が確認されているものの、「Denuvo」といったコピーガード技術をゲームに組み込む方法で対策するケースもあります。しかしシモンズ氏によると、『Cricket 22』では一風変わった対策方法を採用しているようです。

事はSteamにて、あるユーザーが「試合の合間にホワイトスクリーンになる」と解決方法を求めたところから始まります。一見ただの不具合のように聞こえますが、シモンズ氏はTwitterにて「ゲームを購入すると、“ホワイトスクリーン”の問題は魔法のように全て消える」と回答。本不具合が“海賊版にのみ起こる現象”であることを示唆しました。
また、同氏は他にも「コイントスで100%負ける」、「コントローラーのバッテリーの充電要求が表示される」、「試合中に永遠に雨が降り続ける」といった仕掛けを用意しているといい、海賊版対策の導入からSteamでの本作「売り上げが3倍になった」ことを報告しています。
ちなみに、ゲーム業界におけるクリエイティブな海賊版対策は過去にも事例があり、“ゲーム開発シミュレーションで海賊版流行により破産する”といったものや、“恋愛ゲームで好感度がリセットされる”といったケースが話題になることがありました。古くは、“ゲームの物語が途中から海賊版を揶揄するようなものに切り替わる”などというケースもあります。
今回話題となった『Cricket 22: The Official Game of The Ashes』Steam(PC)版は4,999円で販売中。PS5/PS4/Xbox Series X|S/Xbox One/海外ニンテンドースイッチ向けにもリリースされています。