4月23日、スウェーデンを拠点とし、ゲーム業界に向けた声優データベースとアセットツールを提供するSpeechlessは声優と生成AIを組み合わせた「Hybrid AI License（ハイブリッドAIライセンス）」を発表しました。
合成音声を利用すると声優にライセンス料が支払われる
本ライセンスでは、正式に契約した声優が提供した音声を元にAIで合成音声を生成し、その音声をゲームに利用した際に声優にライセンス料が支払われる仕組みになっています。
また、開発者は声優本人にもコンタクトを取ることができるので、合成音声でゲームの台本やスクリプトを洗練させておき、その音声のモデルとなっている声優を起用したボイス収録をスムーズに終わらせる……という使い方も可能になっています。
SpeechlessのCEOであるPeo Drangert氏は「AIがゲーム業界にもたらす可能性は無視できませんが、この技術には倫理的にアプローチする必要があります。本ライセンスを利用することで、ゲーム開発者は開発プロセスを合理化し、低コストでさまざまな声優を試せます。声優は自分の仕事とAIが生成した声の仕事それぞれに対して報酬を得られるだけでなく、より柔軟に働くことができます」とアピール。
さらに「AIは今後もゲーム分野で成長し続けると思われますが、私たちはより公平な業界を確保するために、責任を持ってAIを利用しなければなりません」と語っています。
声優・俳優と音声生成AI歩み寄りの一手となるか
声優・俳優と音声生成AIの関係は大きな課題を抱えており、2023年には米俳優組合（SAG-AFTRA）が大規模なストライキを実施していました。Speechlessの取り組みは、そうした関係を改善させる落としどころとなりうるでしょうか。
