電子フロンティア財団、通称EFFはデシタル社会の中で言論の自由と、保護を目的とした非営利団体ですが、そのEFFと法学生ケンドラ・アルバートさんは「サービスが終了したゲームを再びプレイする」ためにアメリカの著作権局に一部著作権の免除を求めています。サービスが終了したゲームの“行く末”といえば、プレイヤーの意見に関係なく、サーバーが切断され、プレイは不可能になるのが常識といえば常識ですが、上記EFFとアルバートさんを始め、ゲーム愛好家やプレイヤーのコミュニティ、そのゲームを保持する博物館、ならびにゲームの研究家たちは終了したゲームを遊び続けられるもにするためにサーバーが閉鎖された後も、ゲームデータに変更を加えたり、独自のサーバーに繋ぐようにすることで、ゲームを維持し続けたいと考えています。しかし、そういった活動は「デジタルミレニアム著作権法」の第1201により防止されるため、アルバートさんらはこの法律からの免除を求めていますが、アメリカ最大のゲーム事業者団体ESAことエンターテイメントソフトウェア協会は「ESAの誰もがパブリッシャーによってサポートされていない古いゲームの機能を復元したくない」と述べ、「これらはすべてのハッキングは、著作権侵害に関連したものだ」と一蹴しています。この反応に対してEFFは「第1201はたびたびエンターテイメント業界で著作権侵害ではなく、市場をコントロールし、人々を競争から締め出すために使われてきた。ESAが映画協会やレコード協会と一緒に、免除に反対したとしても驚くべきことではない」と痛烈に批判。そして「彼らはこういうでしょう。パブリッシャーのサポートが終了した修正済みのゲームは独自のサーバーに接続し、(あるいはサーバーからのすべての接続を避け)人々にゲーム業界を破壊させるためにゲームをさせ続ける、と。彼らはそれこそが“我々の著作権法の基礎となる基本的著作権の原則を弱体化させるものである”というだろう」とEFFの嘆願を悪質なハッキングの延長であると捉えていると揶揄しています。これに対し、ESAは「第1201の例外があることを認めれば、ハッキング事情と密接に関係している市場に対して“これは合法だ”とメッセージを送ることになってしまう」とさらに強く主張しています。また「もしも人々の思っているハッキングが合法だったら、損害の結果がどうなるか、想像してみてください。もちろん、ハッキングは大抵の場合は合法です。我々はこれをよく知っています。ソニーやマイクロソフト、EA、任天堂およびEASに属するゲームプログラマーの多くが間違いなく、既存のソフトウェアを“いじり回す”ことで彼らの技術を学んできました。もしもハッキングが広く定義され、実際には違法であったなら、今のビデオゲーム業界はなかったでしょう」と第1201の必要性を訴えています。昨今のゲーム事情ではネットワーク対戦、あるいはネットワークによる協力プレイを主体としたものが多く、またゲームディベロッパーないしパブリッシャーはその体験を売り文句にしている面もあります。そうしたタイトルのみならず、日本で人気のソーシャルゲームなど、多くの通信を余儀なくされているゲームが、ある日ネットワークサポートの中止を余儀なくされたらと想像すると、縁遠い話しとはいえないのかもしれません。
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