
7月13日に東京・秋葉原UDXにおいて、ゲーム開発ツール・ミドルウェアのイベント『GTMF 2018 Tokyo』が開催されました。ここではウェブテクノロジによるセッション「OPTPiX SpriteStudioと他社ツール比較(真)」をレポートします。講師は同社セールス・コミュニケーション部マネージャー・浅井維新氏です。




今回はなんと禁断の機能比較、ということでゲーム用2Dアニメーションツールの3巨頭である、Sprite Studio 6とL***2D、Sp***を表現力、ワークフロー、コスト、サポートの4つの点で評価するということになりました。


開発者の声、としてプロモータル代表取締役の福田圭佑氏がゲストに。おもにアプリゲームなどのモーション製作を行っている会社です。



ワークフローでの比較では、L***2DがPhotoShopのPSDファイルをそのままツール内で読み込めるのが他の2つとは違うことです。成果物もPSDファイルとなります。
Sp***はPhotoShopのスクリプトを介してレイヤー別のPNGファイルに変換、その後マスターとなるPNGファイルを作成します。


Sprite StudioではPhotoShopスクリプトかコンバータを介して変換します。変換したデータはSprite Studio固有のファイル形式に。なおコンバータは今年の夏をめどにオープンソースとなる予定。




表現力の比較では髪の毛といわゆる胸揺れのアニメーション作成で比較を行うことになりましたが、どのツールも概ね同じようなアニメーションが実現できました。なお、最終的な成果物も披露されましたがここでは割愛します。


ここでプロモータルのアーティストによるSpriteStudioを使用したキャラクターアニメーションの実例がデモされました。公式サイトに掲載されているSp***でのデモとは違い、今回は横斬りになっています。


コスト面での比較。法人向けではSDK・ランタイム使用料の設定がないSprite Studioがお得に。基本的には8台を超えるとSp***の方が安くなるが、ボリュームディスカウントなどの設定もあるとのこと。


インディー向けのライセンスは機能制限のないSpxxx Professonalが永続ライセンスであることも含めてお得に。なお、現在提供されているSprite Studio forインディーはVer.5.8ベース。そのあたりも今後は変わっていく予定、とのことでした。
とはいえ、導入コストが安くても使い勝手が悪ければ利点を打ち消してしまうことに。ゲーム開発会社5社による習熟の難易度をチェックしたところ、Sprite Studioが習熟が早いという評価を得られています。

3種のツールを使った制作時のコスト、という生々しい話も飛び出しました。

サポートに関しては日本勢のL***2DとSprite Studioが一歩抜きんでているようです。

最後に、7月24日にバージョンアップされたSprite Studio Ver.6.2ではボーンなしでメッシュのアニメーションができる頂点デフォーム機能や、5.0のデータをコンバートする機能、またウインドウに任意の背景を表示する機能が追加されることが発表されました。





いろいろとヒヤヒヤしたセッションではありましたが、それぞれのツールには一長一短があり、その強みを生かしたツールを使うのがベスト、ということになるでしょう。 《岩井省吾》
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