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ソニー・インタラクティブエンターテインメント(以下、SIE)は、神奈川のパシフィコ横浜で開催されたCEDEC 2019にて発売から3年経過した、PlayStation VRを振り返るセッション「PlayStation VRの振り返り」を実施しました。
このセッションには、ソニー・インタラクティブエンタテインメント東京グローバルデベロッパーテクノロジー部次長 制作技術責任者の秋山賢成氏が登壇。2016年10月13日の発売から約3年経過したPlayStation VRを振り返る内容となっており、欧米における人気タイトルや国内での動向などが語られたセッションとなりました。
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PSVRは2019年3月3日の時点で世界累計実売台数は420万台以上、ワールドワイドでのVRタイトルは現時点で約500タイトル、PS4本体は2018年12月31日時点で9,160万台となっています。
■ダウンロード数に見る北米でのPS VRコンテンツ
初めの話題は「北米のPS VRコンテンツ Top Downloads」。北米PlayStation.Blogのデータを基に2018年3月から2019年8月までのダウンロード数TOP10の内容を紹介し、『Superhot VR』と『Job Simulator』が長い間TOP 10以内をキープしており、2018年11月にリリースされた『Beat Saber』も登場以降上位を保ちし続けています。
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これらの傾向をまとめると北米ではPlayStation Moveを2本併用するタイトルが人気で、上位タイトルは継続してダウンロードされており、シューターも根強い人気があるとのこと。ここからは、データからの分析になりました。ワールドワイドと日本、PS VR本体に対するアタッチレート、累積起動時間、1回のプレイ時間の分析です。
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また、全てのタイトルの許諾を取ることが難しく、文字を中心に説明するとのことで公開されたデータから「あのタイトルではないか?」と予想しながら見て欲しいとも補足しました。
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ワールドワイドでのアタッチレートでは無料コンテンツが高く、有料コンテンツでは発売済みのタイトルをPS VR化したコンテンツが同じレベルで高い人気も持っており、そしてノンゲームコンテンツでは「VR内で動画を再生するコンテンツ」も人気という。
また「VR入門的なコンテンツ」のプレイ時間が最も長くプレイされていますが、シナリオが存在するコンテンツも同じように長いとのこと。特に1プレイの時間が短いタイトルは、セッション数もシナリオベースのものより少なく、1プレイの時間が長いゲームの方が毎回遊ばれる可能性が高いと補足します。またユーザー間コミュニケーションをゲースにしたコンテンツも同じレベルであるようです。
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アカウント単位ベースでは、ユーザー間コミュニケーションがあるタイトルが上位を占めており、特にユーザーへ役割が与えられるコンテンツが人気という。そのため、繰り返し長く楽しめるコンテンツが増えている一方シューター系は上位にあまりいないようです。
続いての内容は日本市場視点となりました。ワールドワイドとの比較では、動画コンテンツが強く、人気アニメのVRコンテンツなどのダウンロード数が高いことからノンゲームコンテンツの人気が強いと説明。一方のゲームに関してはフルボリュームのコンテンツが人気のようです。
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特に動画コンテンツが圧倒的。ノンゲームコンテンツでは、激しいアクション性の無いものが人気で、一方のゲームではワールドワイドでも同じく既存コンテンツをVR対応させたものが長く遊ばれているという。
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セッション時間に関しては、RPG要素の強い(プレイヤーに役割が与えられるタイプ)コンテンツが特に高くで、戦略的な駆け引きや長考するようなコンテンツも上位にいるようです。特に戦略・長考コンテンツの人気はワールドワイドと比較しても特異で、ダウンロード数は少なくても累計プレイ時間がとても長いコンテンツがとても多いとのこと。そのため「1プレイをじっくり遊び、好きなものを探すユーザーが多いのでは?」とも加えました。
ワールドワイドにおけるアカウント単位のセッション時間(月ベース)に関しては、VR内でコミュニケーションがあるコンテンツが半年での毎月トータルプレイ時間を増やし、ほぼ全てのコンテンツが約半年をかけて累積起動時間が伸びています。またアカウント単位では、ユーザー間のコミュニケーションを主体としたものが上位を占め、ユーザー毎に役割が与えられるコンテンツが人気。また人気コンテンツは落ちず増加しながら継続してプレイされています。
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一方の日本市場でのコンテンツ起動回数では、動画コンテンツが常に上位を占めており、ワールドワイドで強いアクションゲームが最近人気となっているようです。また日本とワールドワイドの比較では、離脱率が早くずっとプレイするよりも新作を求める傾向が強いと見ています。
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加えてアカウント単位でのセッション時間では、RPG要素が強いコンテンツが特段に高く、1ユーザーあたりの起動時間がとても長いことから、同コンテンツの比較で倍以上の時間が遊ばれているため「趣向が特定の分野に偏る傾向が見れる」と推測しました。また動画コンテンツに関しては連続再生時間が短いものの累計が特段に高く、連続起動時間を減らして様々な動画を見ているユーザーが非常に多いと印象を述べます。
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これらの情報と傾向は約3年間経ったことで検証出来るようになったとのこと。非常に抽象化されたことによって「この3年間にどんなコンテンツを持つタイトルが人気となったか?」という部分が明らかとなりました。
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■VRコンテンツ開発時に起こる問題点とは?
続いての解説項目として「コンテンツ制作時にハマったポイント」に移りました。この内容はVRコンサルテーションで見つかった課題を紹介するもの。具体的な数値は公開されませんでしたが、「Reprojection issue」が突出して多く、次に「Black OLED Smear」と「Deisabaled Head Tracking」が続いています。
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またレースゲームのVRにおけるカメラの操作に関しては、VRやゲーム自体の操作に慣れていないプレイヤーに向けてチャレンジな操作を施してしまうと酔いやすくなる可能性があるという。
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先の説明の通りVRを長く遊んでいるプレイヤーは多くいますが、訓練された彼ら向けにて色々な実装をしてしまうこともあります。そのため「どういったプレイヤーが遊ぶのかわからない」という観点から、普段VRで遊んでいない人向けの体験を用意させることへの検討が必要だと述べます。
経験者向けのカメラ演出を行う際には警告を必ず出し、ゲーム体験が損なわれてしまうため、VRコンサルテーションとしてはそれらに気付くためのアドバイスを提供するとのこと。
次はVRおける立ちプレイの事例を紹介。アクションゲームにおいてPS Moveを使ったものでは立ちプレイが楽しいものですが周囲が見えないために物にぶつかる危険性があります。そのためPSカメラの中央から外れた場合と姿勢に対する注意勧告をする必要があると説明します。
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次の「Depth Conflict」については、メニューの出し方についての難しさが語られ、距離感のわからないメニューと、VR空間にある3Dオブジェクトとのコンフリクトが発生してしまう問題もあります。それらの問題を解決すればより素晴らしい問題になると話しました。
ここからは小話になりました。VRアプリのターゲットフレームについての話題では、PS VRは120Hzと90HZ、そして60Hzにも対応しておりリプロジェクション(映像の補完)機能を利用出来ます。しかしながら高コントラストや左右のスライドで残像が出やすく、リプロジェクション120Hzにするべきかコンテンツ特性を見極める必要があるようです。加えて、絵がブレる原因がリプロジェクションによるものだと決めつけないようにも加えました。
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続いて、VRコンテンツ開発において様々な障害を体験できる「PlayStation VR Comfort Sample」を紹介。バグの一種であるホールオブミラーや、VRコンテンツを最適化するための細かな設定があります。他にもUnreal Engine 4やUnityなど様々なエンジンのVRモードを有効にするだけで無く、様々な機能を有効かすることが重要という。
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VR専用の描画手法として「Foveated Rendering」含め様々な機能を有効活用することが重要という。また、比較的良くあるケースということで見えない部分まで描画して処理が重くなってしまう「Overdraw」を紹介し、無駄な処理がないかを確認する必要性を説きました。
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これらの最適化はとても重要でやればやるほど効果が現れてきます。そのため、作り終えてから行うのでは無く、事前に計画性を持って行うことが重要と話しセッションを終えました。
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