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人気クライムアクションシリーズ『グランド・セフト・オート』の起源について、当時DMAデザインの社員だったColin Macdonald氏がBBCとのインタビューで語りました。
同氏によるとシリーズ第一作『グランド・セフト・オート』は社員の一人が開発した、見下ろし視点での3Dモデルの検証を目的とする技術テストがきっかけで生まれたと言います。しかし、これを元に考案された初めのゲームアイデアは、恐竜となって建物を破壊して回るというものでした。
その後、街を活気づけるために走り回る車を追加したところ、それを運転できるゲームにするのはどうかというアイデアが浮上し、さらに「実際、プレイヤーが車から降りて走り回り、他の車に飛び乗ったり飛び降りたりできるようにしよう」といった意見も盛り込まれた結果、現在の『GTA』の形となったそうです。
しかしこれらの変更は最初に想定された物と大きく異なった物だったために、多くの問題を引き起こしました。Macdonald氏は「クラッシュなしで数分以上プレイすることはできなかった。」と語り、当時制作されていた7本のゲームの中で、失敗する可能性が最も高いという評価すら受けていたと言います。
一方で、その問題を取り除きながらより良い作品とする進化と反復のプロセスの中で、『GTA』はさらにダイナミックに感じられるようになり、生みの苦しみにも関わらずチーム内では何か特別な物に取り組んでいるという感覚があったとも話してます。
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初めは別の方向性で作られていたはずが、一つの大きな方向転換から幾多のブラッシュアップを経て、4半世紀にわたるヒットシリーズとなった『GTA』。その波乱の生まれにゲーム開発の奥深さを思い知らされます。