
eスポーツシーンの現在の盛り上がりは、プロチームやプロ選手だけのものではありません。2023年8月初旬には、国内最大規模となる高校生eスポーツ大会「Coca-Cola STAGE:0 eSPORTS High-School Championship 2023」全国大会がRED° TOKYO TOWERにて開催され、全国から集まった高校生eスポーツプレイヤーが全5タイトルで優勝を争いました。
現役のプロとして活躍する高校生プレイヤーも参加するなど、そのレベルの高さは大きな注目を集めました。
もうひとつ、eスポーツの可能性が見出されようとしているのは、「社会人eスポーツシーン」です。社内の交流・レクリエーションとしての活用に留まらず、社会人リーグやトーナメントが開催されるなど、社会人が真剣にeスポーツに取り組むようすも多く見られるようになってきました。
本稿では、盛り上がりを見せる社会人eスポーツシーンの大会や企業の取り組み例を紹介します。
社会人eスポーツリーグ
AFTER 6 LEAGUE

「AFTER 6 LEAGUE」は、2020年7月に発足した社会人アマチュアeスポーツリーグです。これまでに計3シーズンが行われ、延べ257チーム、1,760名が出場しました。
コロナ禍でeスポーツ市場が急激に盛り上がったことを背景に、企業同士の交流も1つの目的として立ち上がった本リーグ。4年目となる今年は、2023年9月~2024年3月にかけて実施され、『Apex Legends』『PUBG MOBILE』『Pokēmon UNITE』の3タイトルで企業同士がぶつかり合います。
リーグ本選以外にも、各種1デイイベントや地方自治体との連動企画も予定されており、社会人eスポーツシーンの中心となるリーグと考えてよいでしょう。
実行委員会は、凸版印刷を中心に、電通、eS-League、ディスクシティエンタテインメント、ユウクリから構成されています。
企業対抗大会
PUBG MOBILE 企業対抗戦

シーズンを通して争われるAFTER SIX LEAGUE以外にも、eスポーツタイトルごとに企業対抗の大会が開かれることも。『PUBG MOBILE』を提供するKRAFTON主催のイベント「PUBG MOBILE 企業対抗戦」は、同タイトルがリリースされた2018年から開催されており、eスポーツの企業対抗戦としては最も人気の集まっている大会でしょう。
8月20日には第7回大会が開催され、全63チームが集結。全5試合を戦い抜き、他大会でも結果を残す強豪Alphaktが栄冠を手にしました。
出場選手は「名刺を武器に持ち替えた日本全国の企業戦士」と称され、参加企業同士のコミュニケーションが生まれたり、優勝商品として「ゲーム内マップへの企業ロゴ掲出」が用意されたりと、社会人大会ならではの雰囲気がありました。また、大会の模様を配信するYouTube配信のチャット欄では、自社を応援する書き込みが多く見られたことも印象的です。
FFL企業対抗戦

プロゲーミングチームFENNELは『Apex Legends』を採用したオンライン大会「FFL企業対抗戦」を主催しています。今年2月に開催された第2回大会には全国から地方公共団体含む全61チームが参加し、盛り上がりを見せました。ゲーム内ランクによって2部に分けられた本大会。1部では福島コンピュータシステムが、2部(上位部門)では富士通が栄冠を手にしました。
FENNELは本大会を通じ、「新規のチームが想定より多かったことから、チーム設立の動きの高まりや、eスポーツが企業間のコミュニケーションツールとして役割が拡大していることを実感いたしました」と、社会人eスポーツの盛り上がりを表現しました。
福利厚生としてのeスポーツ
競技として真剣に取り組み、大会へ出場して優勝を目指す、というレベルではなくとも、社内外コミュニケーションの創出や採用ブランディングへの活用といった視点でeスポーツを取り入れた施策を行う企業もあります。
たとえば複合商社である長瀬産業は、国内外のNAGASEグループ全従業員を対象とした社内eスポーツ大会を実施。社員やその家族が、国境や組織、役職を超えた交流が実現しました。e-Sports Business.jpでは、長瀬産業へのインタビューを実施しましたので、ぜひご覧ください。
社内では活発なコミュニケーションを促す施策として、社外では他社との交流や採用ブランディング、プロモーションの一環として注目を集めている社会人eスポーツ。今後、競技人口や観戦者、大会規模が大きくなったり、新規の大会が生まれたりすることで、シーンはより広がりを見せていくでしょう。