次にスピーカーは『Child of Eden』の開発に携わった浅地義太氏に交代し、同タイトルのメイキングについて説明されました。『Child of Eden』はXbox360やPS3用のタイトルで、ジャンルは「シナスタジアシューター」と名付けられています。「シナスタジア」とは日本語に訳すと「共感覚」を意味し、ひとつの感覚刺激が別の感覚を引き起こす能力のことを示します。浅地氏はもともとモーションデザイナーとして同タイトルのスタッフに参加しましたが、ディレクター水口氏の「光の動きだってモーションだよね?」の一言で、「シナスタデザイン」を担当することに決められました。
これらのRegファイルを構成することで、同じ曲に対しても複数の演出を表現できることが可能になり、プレイヤーのスキルに応じて、動的に演出を変更するような表現も可能になりました。そして、ゲームプレイとデザインとサウンドという3つのデータ間におけるインタラクションを作り上げることを可能にし、シナスタジアをテーマとした「感覚と身体性の交差」が実現できたのではないかと、浅地氏は全体を振り返りました。実際に、『Child of Eden』では、楽曲やゲームプレイからの情報を用いて4つのコントローラーにバイブレーションのフィードバックを与えるなど、極めて実験敵な試みがなされているそうです。
小林氏はまずはプレイ動画でルミネスについて説明した後、PS Vitaのローンチタイトルとして『ルミネス』の三作品目が決定し、急遽『Child of Eden』の方法論を取り入れての開発に着手したと述べました。Child of Edenからの変更点は主に3点あり、波形データを用いることをやめた点、MIDIデータの利用からヌルによるアニメーションに変更した点、設定ファイルとツールをExcelで管理した点です。
次に音とビジュアルを結びつける設定ファイルをXMLからExcelに変更した点は、端的に視認性を高める点にあったといいます。さらにChild of Edenで利用した自社開発のツールに縛られることなく、背景、ブロック、スキン、パーティクル、被写界深度からHDRの使用まで様々な演出効果を作り出すことが可能になったと言います。