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先日の任天堂ハード特集以来、ゲーム機を持ち寄ることにすっかりハマってしまったインサイド編集部。次はセガハードを取り上げようじゃないかということで、それぞれが夢中になった機種やソフトを持ち込んでみました。
懐かしいゲームを会議室に並べていくと、あの頃の思い出がありありと思い出せます。さあ、セガハードについて存分に語ろうではありませんか。
◆夢中になったセガハードを持ち寄ってみた
今回の座談会メンバーは以下の通りです。
- 山﨑…初めて買った「次世代ゲーム機」がセガ・サターンなインサイド編集長。
- Daisuke Sato…ゲームギアやメガドライブ2といった世代からのセガハードファン。
- 末永…リアルタイムでセガハードと触れ合った期間は極わずかだった編集部員。
- ねんね太郎…サターン&ドリームキャスト世代。かつて、“テレホマン”だった。
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山﨑:というわけで、まずはそれぞれ、セガハードとの出会いから語っていきましょうか。僕は当時、CMで見かけた『スレイヤーズ』という人気アニメのRPGが無性に欲しくなっちゃって。でもそんなお金なんて無いから、遠くに住んでいる親戚のおじさんにお願いして、郵送でサターン本体を送ってもらったんです。結局、そのソフトは買わなかったんですけど、親戚のお姉さんがサターンのソフトをいっぱい持ってて、たくさん遊ばせてもらった、というのがセガハードとの出会いです。
ねんね太郎:『スレイヤーズ』は流行りましたねぇ。
山﨑:でまあ、当時ってプレイステーションの勢いが凄かったんですけど、僕はやっぱりサターンがやりたくて。僕の姉貴もゲーム好きなので、親戚のお姉さんから貰ったゲームを一緒に遊んでました。「ゲームが進化した!」というのを目の当たりにしたハードだったから、思い入れがあります。ねんねさんはどうですか?
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ねんね太郎:僕は近所のおもちゃ屋でセガ・サターンがお正月特価で売られているのを見て、弟とお年玉を合わせて買いました。ちょうど藤岡弘さんが演じる“せがた三四郎”が「セガサターン、シロ!」と叫んでた頃だと思います。なので個人的にサターンは、白いほうが愛着ありますね。
山﨑:あー、ありましたね!せがた三四郎!
ねんね太郎:その後、高校受験を迎えるわけなんですが、まったく勉強しない僕を親が見かねて「受験に合格したら、ドリームキャストを買ってやる」と言い出しまして。で、なんとか受かって、ドリキャスとも出会えたという感じです。
山﨑:そうなんですね。僕はドリキャスは遊ばなかったんだよなあ…。これも初めて見ました。(メガドライブを指差す)Satoさんはいかがでしょう?
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Daisuke Sato:僕はちょっと皆さんより年齢が上なので少し世代が違うんですけど、小学生の時にメガドライブ2が出まして。価格が初代メガドライブよりも下がってたということもあり、お年玉で買ったのがセガハードとの出会いです。一緒に購入したソフトは『餓狼伝説』でした。キャラクターは何体か削られてますが、移植の出来がかなり良かったんです。そのあと、「ソニック」が出てきて、それからセガハードにどっぷりと浸かっていった感じです。
山﨑:初代とか2とかあるんですね。どうしてメガドライブを選んだんですか?
Daisuke Sato:兄がスーパーファミコンを持っていたんですけど、「弟にはやらせるか」という感じで遊ばせてくれなくて…。それに腹が立って「じゃあ、俺はメガドライブだ!」と(笑)。
山﨑:兄弟ってそういうのありますよね。僕も姉がずっと『プリンセスクラウン』遊んでいたので、後ろで見ていることが多かったなあ。
Daisuke Sato:メガドライブはアメリカだと、任天堂と人気を2分する名機ですよ。だからセガの「ソニック」は海外人気が凄いんです。
◆思い出のソフトを語ってみよう
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山﨑:セガ・サターンで1番流行ったソフトってなんだったんでしょう?
Daisuke Sato:『バーチャーファイター2』でしょうね。今日、用意できたのは『ファイターズメガミックス』ですけど。せっかくだし、ちょっとプレイしてみましょうか。
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前述の女子2人は「ボタンがいっぱいある!」と戸惑っていました。
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末永:『バーチャロン』も熱かったですよ。今度また「禁書」とコラボした新作(※1)が出ますし。
※1…PS4/PS Vita『電脳戦機バーチャロン×とある魔術の禁書目録 とある魔術の電脳戦機』のこと。インサイドでは「東京ゲームショウ2017」にて、プロデューサーの亙重郎氏にインタビューを行っています。
【TGS2017】『とある魔術の電脳戦機』異色コラボへの熱い想いを亙重郎プロデューサーに聞く
https://www.inside-games.jp/article/2017/09/27/110023.html
山﨑:『バーチャロン』良いですよね。ロボット選択画面のボイスが好きでした。「ラァイデェン」とか「テェムジィン」とか言うんですよ(笑)。
ねんね太郎:『バーチャロン』はドリームキャストにも出ましたね。ただ余りにL/Rトリガーを駆使するので、すぐコントローラーが壊れるという。
Daisuke Sato:『バイオハザード CODE:Veronica』もトリガーを酷使するゲームでしたね。僕はトリガーが壊れちゃった時は、接着剤で直してました。
ねんね太郎:自分で直してたんですか!それは凄いなあ。
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末永:ドリキャスといえば、『シーマン』の印象も強いですね。マイクで話しかけられるやつ。あの頃『シーマン』がやりたくて、ドリキャスが欲しかった…。
山﨑:『シーマン』って人面魚のやつですよね?
Daisuke Sato:そうそう。汚い言葉を投げかけると、ストレスが溜まって死んじゃうんです。最後まで育ったことが無かった…(笑)。
山﨑:最後まで育つと、どうなるんですか?
末永:確か足が生えて、陸に上がって、卵を産みます。
Daisuke Sato:そして次の世代へ、的な。
ねんね太郎:なんか壮大な話になってる(笑)。
山﨑:ちょっとサターンに戻っちゃうんですけど、僕は『ポケットファイター』にもハマりました。ボタンを押してるだけで連続技が出るのがいいんです。「ストリートファイター」、「ヴァンパイア」、「ウォーザード」と各シリーズのキャラクターが共演するのも良いですよね。今やっても楽しめると思います。
Daisuke Sato:僕はサターン本体と一緒に『魔法騎士レイアース』を買いました。実はこれ、「ファンタシースター」チームが作っていて、アクションRPGとして頭一つ抜けてるくらいクオリティが高いんです。
ねんね太郎:サターンのタイトルで1番長く遊んだのは『スパロボF』&『完結編』かなあ。
山﨑:あー、めちゃめちゃ難易度高いんですよね、あれ。雑魚敵が“アムロ”の”フィンファンネル”を切り払うんです。
ねんね太郎:「踏み込みが足りん!」
山﨑:あの頃は雑魚敵も2回行動したりして、大変でしたね…
ねんね太郎:まあ、こちらにも反則的に強かったイデオンがいますし。それとサターン版は本体の時計機能を活用して、主人公の誕生日を祝ってくれる隠しイベントが好きでした。「エヴァンゲリオン」の面々が口々に「おめでとう」って言ってくれるんです。
Daisuke Sato:アムロといえば、横スクロールの『機動戦士ガンダム』も良いゲームでしたね。アクション部分も面白いんですけど、原作アニメの部分をゲームのために作り直すっていうのが凄かった。アニメーションがゲームに使えるようになったのは大きいな、と。
末永:確かに、サターンはアニメってイメージがあるかも。
山﨑:先ほどプレイした『マジカルホッパーズ』のオープニングもアニメでしたね。
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山﨑:あと今日持ってきたソフトの中で、みんなに1番見てもらいたいソフトが『Digital Dance MIX Vol.1 安室奈美恵』なんです。これ、ポリゴンで表現された安室ちゃんのダンスが観れるっていう鑑賞系のゲームなんですけど、ちょっと説明書にあるプロデューサーの名前を見てみてください。
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末永:おおっ、鈴木裕氏(※2)だ!それに開発もAM2研(※3)だし。
※2…セガ在籍時代に『ハングオン』『バーチャーファイター』『シェンムー』などを生み出したゲームクリエイター。
※3…かつて存在していたセガの開発子会社。ヤシの木が描かれたロゴに見覚えのある方も多いハズ。
Daisuke Sato:この安室奈美恵が、後の『初音ミク Project DIVA』に繋がっていくのではないでしょうか(笑)
ねんね太郎:それは鋭い考察だ(笑)
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末永:これ、動きはモーションキャプチャーですかね?
Daisuke Sato:ですね。顔はたぶん、写真を取り込んでるのかな。で、ボディはポリゴンで作ってると。
山﨑:タイトルに「Vol.1」ってありますけど、2は出なかったみたいですね…。
末永:今の技術を使いながら、VRでリメイクしてほしいかも。
次のページ:今では絶対出来ないCMと画期的な企画の数々
Daisuke Sato:サターンには思い出深いソフトが色々ありますよね。『学校の怪談』っていうソフトもあったんですけど、これには元になった映画がほぼ丸々入ってるんです。しかも映画公開と同時に発売されたという。
山﨑:えっ、じゃあゲームを買えば、映画を見に行かなくても良かったってことですか?
Daisuke Sato:そうです。本当に、映画がそのまんま入ってる。
山﨑:やばいっすね、それ。そういう画期的なこともやってたんだなぁ。ほかにそういうものってありますか?
末永:ドリームキャストは驚きの連続でしたね。
Daisuke Sato:ドリキャスといえば、Windows CEがOSとして採用されていたというのが、凄いことかな、と。あと起動音を作曲したのが、坂本龍一さんというのも凄い。
ねんね太郎:へー。
山﨑:個人的にドリームキャストで画期的といえば、やっぱこの人だなあ。
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Daisuke Sato:秋元康さんがプロデュースしてたんですよね。ジャニーズの滝沢秀明さんと一緒になって、ドリキャスを売り歩くという(笑)
ねんね太郎:あー、あったあった。
山﨑:このおじさん、知ってます?(同席したインターンの女性社員2人に写真を見せる)
女性社員:いえ、知らないです…。
山﨑:そうかー。ものすごく自虐的なCMをしていたんですよね。
ねんね太郎:「セガなんてダッセーよなー!」「プレステのほうが面白いよなー!」
Daisuke Sato:思いっきり「プレステ」って言ってましたもんね。あと、ドリキャス本体の生産が追いつかなくて、常務に降格したっていうCMも…。
山﨑:あー、あったあった!今なら絶対できない(笑)。
Daisuke Sato:サターン時代にも、セガールとアンソニーっていうCMをやってましたし、そういう文化があったのかも。
女性社員:というか、普通のおじさんの写真をパッケージに使うって、凄いですね。
山﨑:湯川専務のCMを真似して、みんなで担任の先生にイタズラしたなあ。「●●(担任の先生の名前)先生ってダッセーよな!」「▲▲先生のほうに行こうぜー!」って。
ねんね太郎:ドリキャスといえば、僕はやっぱりテレホーダイを思い出すかな。
女性社員:なんですか、それ?
ねんね太郎:当時のインターネットは、繋いだ時間分だけ料金が発生する従量制だったんです。ただテレホーダイっていうサービスに加入すると、夜23時から朝の8時までに限り、ネットが定額になると。当時、オンラインゲームを本格的に遊ぶならテレホが必須だったんです。
Daisuke Sato:ソフトは何を遊んでいたんですか?
ねんね太郎:色々遊びましたけど、1番長く遊んだのはやっぱ『ファンタシースターオンライン』かなあ。初めて1,000時間以上プレイしたタイトルだと思います。チャットにもハマったなあ。キーボードの入力が早くなったのは、間違いなくこれのお陰です。
山﨑:その技術が、今のお仕事で役立っていると(笑)
ねんね太郎:ありがとう、『PSO』!
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Daisuke Sato:そういえばドリキャスって、周辺機器を使わずともコントローラーが4つ接続できるんですね。4人対戦できるタイトルって、何があったかな…。
ねんね太郎:『チューチューロケット』や『パワーストーン2』あたりが、僕の周囲で人気でした。
末永:『チューチューロケット』、ネット対戦にも対応してたんですね。説明書に書かれてるネットワークマナーが、今の時代と変わってないなあ。
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山﨑:1999年からネットのマナーが変わってないっていうのは凄い。この『MARVEL VS. CAPCOM2』もネット対戦できたんですか?
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ねんね太郎:できましたよ。ただそれは、テレホーダイとは別に料金が発生してましたけど。
Daisuke Sato:KDDの「マッチングサービス」ですね。まだ“KDDI”じゃない頃(※4)だ。
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※4…当時最先端だったオンライン対戦に夢中になり、その後送られてくる請求書を見て真っ青になった方も多いはず。筆者(ねんね太郎)はお年玉が軽く吹き飛びました。
ねんね太郎:あと今日はせっかく持ってきたので、『サクラ大戦3』のオープニングアニメをぜひ、皆さんに見て頂きたいなと。
Daisuke Sato:クオリティが非常に高いと、有名ですよね。今見ても凄いです。作画がヤバい。
山﨑:とまあ、セガハードへの愛は尽きないんですけど、そんなセガハードとどうして別れてしまったのかについても触れてみましょうか。僕は正直に言ってしまうと、すみません、プレステに行っちゃいました。
ねんね太郎:ドリキャスをもってセガはハード事業から撤退しちゃいましたからね。セガハードへの愛を貫く選択肢が存在しなかった…。9,900円で在庫処理されるドリームキャストを見て、「嗚呼…」という思いしか無かったです。
Daisuke Sato:僕はアメリカからやってきた黒船(※5)に移りました。黒船にセガのゲームがいっぱい出てたんですよね。「これが新しいセガの形だ!」って思いました。あと僕はゲーム機としての役割が薄れたあとも、サターンはメディアプレイヤーとして活用してたかな。
※5…Xboxのこと。
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Daisuke Sato:あ、今思い出した。日立製のHiサターン(※6)にはカーナビが付いてましたね。
※6…日立製作所から発売されたセガサターンのこと。基本的なスペックは変わらないものの、起動画面や外観が異なっている。ほかに日本ビクターから発売されたVサターンという機種も存在しました。
山﨑:カーナビ!?それは凄い。
Daisuke Sato:今、試してみたいなあ。あのカーナビ機能を使うとどうなるのか。
末永:まずは現物を手に入れないとですね。どこか貸してくれないかなあ…。
…と、このような調子でセガハードについて語り合うこと約2時間。あっという間に時は過ぎ、ひとまず座談会はお開きとなりました。今振り返っても革新的かつ前衛的なセガハードの数々、その魅力が少しでも皆様にお届けできたのであれば幸いです。
参加者は皆、「まだまだ話足りなーい!」と口を尖らせていましたし、今回の企画も好評であれば、同様の座談会をこれからも続けていきたいと考えています。リクエスト等あれば、ぜひお気軽にお寄せください。