ポータブルゲーミングPC「SMACH Z」を開発するSMACH Teamは、破産の危機が迫っていることを明かしました。
「SMACH Z」は、Linuxベースの独自OSもしくはWindows 10を搭載し、PCゲームがプレイできる小型ゲーミングPCです。2016年にクラウドファンディングが再始動され、25万ユーロの目標金額以上の資金を獲得。開発が進められていたものの、その後延期を繰り返し、明確な発送時期等が不明瞭な状態となっていました。
今回、破産の危機が迫っている理由として、あくまで誰かを責めるつもりではないと前置きしながらも「明確な収益をあげられていないプロジェクトの継続的な遅延に新型コロナウィルスの流行と相まって、投資家に「プロジェクトを支援し続けるのは難しい」という判断をさせてしまった」と説明。制作の最終調整中にパンデミックが発生し制作パートナー企業を中国からスペインに変更したものの、その後資金不足によりレイオフを実施せざるを得ない状況が1年半続き、最終的には3人から5人の規模でプロジェクトを進めているといいます。
そのほか、生産開始前にCE認証機関でのテストを進めていたところ、メーカーが認証したにもかかわらずエミッションテストが不合格になってしまったり、最初の200台を組み立ててテストしている間にバッテリーの熱や劣化に関する問題が発見されたりと、複数の問題が重なってしまっていたようです。
「SMACH Z」が必ずしも発売されないとは限りませんが、破産宣告までの数ヶ月の間に新たな出資者が現れない限り実現は困難であるとしており、破産を宣言した場合、残された資産を売却して得られた資金はすべて返金に充てられます。ただし、現時点では具体的な期日や返金額は約束できず、公式サイトから直接購入したユーザーへの返金が優先されるなどいくつか優先順位があるとのこと。以前は投資家から得た資金で返金を続けていましたが、ここ数ヶ月はそれが不可能であったとしています。
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以前から進捗が不明瞭であった本プロジェクトですが、記事執筆時点では危機的状況に陥っているようです。