ゲームエイジ総研は、モバイルゲームにおいてたった1日間でアクティブユーザーが大きく増加する事例についての調査結果を発表しました。
モバイルゲームのデイリーアクティブユーザー(DAU)数は、ゲーム内イベントの影響を大きく受けます。その多くはイベント開始とともにDAUが大きく増加し、イベント終了とともに減少する傾向にありますが、そうしたイベントなどがない1日~2日間に、ユーザー数が大きく増加する事例も存在します。
そのゲームに何が起きたのか、『A3!』と『ディズニーツイステッドワンダーランド』をiGageのデータで見ていきます。
利用データ:iGageデータ
調査期間:2021年10月17日~2022年10月16日
1~2日間だけ突発的にDAUが増加
両タイトルで1年間を通してのDAUの推移を見ると、イベントの開始日やガチャの更新日に合わせて増加していることが分かります。【グラフ1】

しかし、イベント期間外のタイミングでも1~2日間だけDAUが増加しているタイミングがあることが分かりました。ひと月に2回程度、周期的な増加が見られます。【グラフ2、グラフ3】


増加の理由は推しているキャラの誕生日
増加した日の前後を調査すると、これらのタイミングは「ゲーム内に登場するキャラクターの誕生日」とほぼ一致していることが分かりました。
両タイトルはキャラクターの誕生日に限定ボイスの提供や、限定ガチャなどを1~2日間だけ行うため、そのキャラを「推している」ユーザーのログイン誘致となっていることがDAU増加の要因とみられます。
特に『ディズニーツイステッドワンダーランド』における11月5日は、ジェイドとフロイドという兄弟キャラの誕生日となっており、DAUがもっとも高くなっています。【上記 グラフ3】
また、両タイトルにおける各キャラの誕生日を調べると、1年を通して均等に分散するように設定されています。【表1、表2】

意図して誕生日を分散させることで、周期的にDAUの増加を狙った施策であると考えられます。
『A3!』や『ディズニーツイステッドワンダーランド』はキャラが10~30人程度となっており、キャラ総数が100人以上になるようなゲームと比べると、一人ひとりをピックアップした施策が打ちやすい状況にあります。そのため、キャラの誕生日にDAUが増加する現象もより顕著に表れたと考えられます。
どちらもキャラクターを前面に押し出しているゲームということもありますが「推しキャラ」の誕生日を祝い楽しむユーザーの愛情と、ユーザーの幸福度を満たすための運営の努力が同調した結果が、目に見えるほどのDAUの増加につながったと言える…とゲームエイジ総研はまとめています。