ゲームエイジ総研は、2022年におけるモバイルゲームのプレイ時間に関する調査結果を公表しました。
2020年初頭から始まったコロナ禍はさまざまな経済活動に影響をおよぼし、モバイルゲーム業界では、巣ごもり需要の増加に伴ってユーザーが増加しました。
しかし2022年にはその影響も小さくなり、「東京ゲームショウ」が数年ぶりにオフラインで開催されるなど、イベント、旅行、レジャーなどを久しぶりに楽しむ人も見られました。
巣ごもり需要が縮小してきたと考えられる同年のモバイルゲーム市場は、ユーザーの時間の使い方にどのような変化があったのでしょうか。
利用データ:iGageデータ
調査期間:2020年1月1日~2022年12月31日
2022年は巣ごもり需要の縮小でプレイ時間が減少
2020年1月から2022年12月までの期間に、月に一度でもモバイルゲームをプレイしたユーザー全体のデータから、1人当たりの月間累計ゲームプレイ時間の推移を見ていきます。
1人当たりのモバイルゲームプレイ時間がもっとも長かったのは2020年です。新型コロナウィルスによる緊急事態宣言の発出とゴールデンウィークの外出自粛が重なった5月は、1人あたり49.1時間に達しました。のべ時間でみるなら、ひと月の間で丸2日以上に相当する時間がゲームプレイに費やされていたことになります。【グラフ1】
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その後2年間のゲームプレイ時間は、明確に右肩下がりのトレンドが確認できます。2022年は過去2年と比べ全ての月で1人当たりの累計プレイ時間が短くなり、ほとんどの月で40 時間を下回りました。
行動自粛する国民が多かった2020年と比較すると、2022年の累計プレイ時間は10%以上減少していることから、2020年はコロナ禍の巣ごもり需要でゲームのプレイ時間が大幅に伸びていたことが分かります。
2022年の累計ゲームプレイ時間最長は40代
次は、年代別にどの程度の時間をゲームプレイに費やしているのかを見ていきます。ひと月あたりの累計ゲームプレイ時間の平均がもっとも長かったのは40代の43.4 時間。その次に50代の42.7 時間、60代の40.2 時間と続きます。逆に、もっとも少ないのは20代の32.0時間でした。【グラフ2】
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若年層は比較的カジュアルにゲームプレイするユーザーが多いため、1人当たりの累計ゲームプレイ時間が短くなっていると考えられます。それに対し、40代から60代はゲームは一切プレイしないという人も多い一方で、プレイする層のなかには超時間遊ぶゲーマーも少なくありません。
40代はプレイ時間が長くなる傾向のある「戦略シミュレーション」系のゲームユーザー、50代以上は「パズルゲーム」などのプレイ頻度が高いことから、1人当たりの累計ゲームプレイ時間が長くなっていると考えられます。
10代は時期によってプレイ時間に大きな変化が
最後に、2022年の年代別/月別の月間累計ゲームプレイ時間を見ていきます。全世代で比較すると、30代以上は各月のゲームプレイ時間に大きな変化は見られませんが、10代と20代は時期によりゲームプレイ時間が大きく変化しています。
10代のゲームプレイ時間は3月、8月、12月に大きく伸びていることが分かります。これは学校の長期休暇の時期と一致しており、10代の学生は長期休暇を過ごす時期に長時間ゲームをプレイしていると考えられます。
しかし、年代が高くなるにつれて月別による変化は小さくなることから、社会人は学生ほど休暇などの影響を受けていないことが分かります。【グラフ3】
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新型コロナウィルスの影響をもっとも受けた2020年と比べると、2022年のモバイルゲームプレイ時間は減少したことが分かりました。モバイルゲームはユーザーのゲームプレイ時間を各タイトルが取り合っているのが現状で、今後も減少したプレイ時間を奪い合う状況は変わらないでしょう。
また、今回の調査では世代や時期によるプレイ時間の変化も見られました。コロナ禍の行動自粛制限が撤廃されて生活時間の使い方が変化してきている昨今、あらためてゲーマーの時間の使い方を把握し、ゲームプレイ時間の維持/獲得に対してどのようにアプローチをしていくのか、タイムシェアを拡大するための戦略が重要になる…とゲームエイジ総研はまとめました。