
NTT東日本グループのNTTe-Sports社が運営する通信制サポート校「NTTe-Sports高等学院」が2025年4月から開校します。3月8日に行われた校舎完成記念イベントの模様をレポートします。

2つのモード切り替えが可能な教室、緑溢れる広い空間も

NTTe-Sports高等学院は「通信制サポート校」です。通信制サポート校とは通信制高校に通う生徒に対し、卒業がスムーズにできるよう学習や心理的なサポートを行う民間の施設を指します。
そして、NTTe-Sports高等学院はeスポーツだけを学ぶための学校ではありません。提携する「中央高等学院」と隣接しており、生徒は施設や教室を使い分けて「一般学習」、「eスポーツビジネス学習」、「デジタルスキル学習」を行い子ども達の興味・関心を広げる教育を実施します。


こちらは「NTTe-Sports高等学院」の教室。大画面のLEDモニター、1人1台のゲーミングPCを完備していて、教室の照明で「eスポーツモード」と「学習モード」の切り替えができます。

「eスポーツモード」は音響や照明演出でeスポーツ向けの高揚感のある空間に、「学習モード」は勉強に集中できるような落ち着いた空間になります。

こちらは「中央高等学院」の事務室・職員室。天井が高く、緑溢れる内装はお洒落なカフェのようです。奥には教室があり、扉を作らず、シームレスな空間を実現しています。
特に注目すべきは、事務室・職員室が「見える化」されていて、開放感があるという点。生徒視点で考えると常に先生の顔を見られるため、相談しやすく感じるかもしれません。

ゲーミングPCのある教室の反対側には、天井の高い大きなフリースペースがありました。観客席や選手控え室などに使えそうなので、学校の長期休みや休日はeスポーツイベントの開催もできそうです。
生成AIを用いたキャラクター制作とeスポーツ大会

当日は学校設備、授業カリキュラムの説明のほか、デジタル体験講座として「生成AIを用いたキャラクター制作」が行われました。

講師の方はAIを料理人に例え「プロンプトはレシピのようなもの。具体的なレシピほど、イメージ通りの画像が生成される」と説明。また、プロンプト作成のコツとして「何を書くかをはっきりと伝える」「場所や雰囲気を具体的に伝える」「何をしているか状況を明確に伝える」など解説がありました。


さらに、今日学んだスキル(NTTe-Sports高等学院で学ぶスキル)が「将来どのように活かされるのか」という説明があり、具体的には以下が挙げられていました。
eスポーツ業界でプロゲーマーやストリーマーとして活躍
IT業界でプログラマー、動画編集、ゲーム制作に関わる
イベントを企画する授業でスキルを得て、イベント業界で活躍
大学や専門学校への進学

第2部からは教室を「eスポーツモード」に切り替えてeスポーツ大会を開催。解説にはストリーマーのPolsさんが出演しました。


本格的な設備や環境の中でプレイできることもあって、試合中は真剣そのもの。eスポーツ大会は学院設備の紹介や、親御さんへのeスポーツの啓蒙も兼ねていたように感じました。
本日のイベント背景や卒業後の進路

eスポーツ大会、生成AIを用いたキャラクター制作を実施した理由
eスポーツ大会を開催したのは、中学生には本校へ興味を持ってもらい、保護者の皆様には子どものゲームへの取り組みを理解してもらう機会を作りたかったからです。
普段も個別相談や説明会を行っていますが、大会という形であれば「ちょっと行ってみようかな」という動機づけにもなるため実施しました。
生成AIを用いたキャラクター制作は短時間で完結する点、ご自宅に持ち帰っていただける成果物が作れる点、最新のデジタル技術を体験できる点から選択しました。
私たちの学校は、eスポーツを入り口にデジタル技術を学んでもらい、デジタル人材を育成することを目的としています。
他の選択肢として、動画編集やゲーム制作もありましたが、限られた時間での体験会であることを考慮した結果、生成AIを用いたキャラクター制作が適していると判断しました。
子どもたちはパソコンの操作や生成AIに慣れているのか、自主的にどんどん制作を進めていく姿が印象的でした。

週2日だけの一般学習で卒業できるのか?
週2日の一般学習でも卒業できるのは、提携する「中央高等学院」の手厚い学習支援があること、また高卒資格取得の単位認定に直結する内容を効果的に教えているからです。残る週3日でeスポーツスキルやeスポーツビジネス・デジタルスキルを伸ばしてもらいます。
これらのスキルの習得は将来の選択肢を広げること・見つけることに繋がります。当学院での様々な経験や成長が、大学進学方法の1つである総合型選抜や就職してからも発揮することができます。
総合型選抜に関しては、在学中にNTT東日本グループへの職業体験も出来るため、就業経験や在学中に身に付けたデジタルスキルを総合型選抜の小論文や面接時にアピールすることができます。
例えば、登校に苦手意識がある子が好きなことを通じて学校に通えるようになったり、勉強が苦手だった子が好きなことなら取り組めるようになったりする。好きなことに取り組んで能力を伸ばし、それを進学に活かすことが出来るようになります。
就職に関しては、NTT東日本のグループ企業への求人対象校に認定する動きをしていきます。全員ではありませんがインターン体験の機会などを提供し、企業側から要望があれば必要な資格取得を促して、就職に繋がるような流れを作っていきます。

「NTTe-Sports高等学院」は2025年4月から開校。オープンスクールを随時開催しており、詳細や日程はこちらからご覧ください。