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2024年7月20・21日の2日間にわたって、eスポーツ大会「eFootball™ Championship 2024 World Finals」が開催されました。
「eFootball™ Championship 2024」は、コナミデジタルエンタテインメント(以下、KONAMI)が主催する、全世界のプレイヤーが参加できる『eFootball™』シリーズ最大の公式大会です。
賞金総額は62,000ドル、4回目を迎えた本大会の予選には、世界200を超える国と地域から、約3,976万人が参加しました。
今回はその決勝大会である「World Finals」の現地を取材し、優勝者2名と『eFootball™』のeスポーツ責任者である田谷淳一氏にインタビューをしました。
まずは熱気に溢れた会場を現地レポート
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会場に一歩足を踏み入れると、まず感じたのは圧倒的な「グローバル感」。
まるで旅行に来たようでした。
2日目のノックアウトステージには6カ国の選手が進出したこともあり、観客席には多様な国籍の『eFootball™』ファンや選手の応援団で溢れていました。
会場には英語はもちろん、日本語、スペイン語、ポルトガル語など多彩な言語が飛び交っており、まさに国際色豊かな雰囲気です。
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大きなスクリーンには白熱した試合の様子が映し出され、まるで本物のサッカーの試合を見ているかのような迫力があります。
ゴールが決まるたびに、観客席からは大きな歓声が上がり、まるでスタジアムにいるかのような臨場感でした。
前列の席では選手の表情も見えるため、試合中の緊張感は見ている側にも伝わってきますし、試合中に選手が見せるエモーショナルなリアクションで会場は湧き上がります。
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選手がゴールを決めた瞬間、外した瞬間は思わず自席で立ち上がる観客の姿も。喜びや悔しさがダイレクトに感じられ、観客も一体となって感情を爆発させていました。
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また、実況解説が試合の戦術や選手の動きを詳しく解説してくれるので、eスポーツに詳しくない方でも試合の流れが理解しやすく、楽しめる工夫がされているのが印象的でした。
実況の声が会場に響き渡ると、まるでリアルのサッカーの試合を見ているかのような緊張感と興奮が一層高まります。
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今回ホストを務めたのは、タレントのハリー杉山さんとアメリカ人モデル・タレントのケイトさん。ハリー杉山さんは親しみやすいキャラクターと日本語と英語を駆使した知識豊富な解説で観客を魅了し、ケイトさんは明るい笑顔と元気なトークで会場を盛り上げてくれました。
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試合の間のハーフタイムには、ダイナミックなフリースタイルフットボールのパフォーマンスが行われました。
海外のインフルエンサーや現地の観客がショーを盛り上げ、最終試合に向けて会場のボルテージはMAXに。
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また、同ビル内1階のカフェスペースでは、『eFootball™』シリーズなどゲーム動画を投稿している有名インフルエンサーとのファンミーティングが開催されており、ファンが直接話をしたり、一緒に写真を撮ったりすることができる貴重な機会となっていました。
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「eFootball™ Championship 2024 World Finals」は、日本のMayageka選手、ブラジルのRENTAO選手の優勝によって幕を閉じました。
敗れた選手の目には涙もあり、全ての参加者に大きな感動を与えました。
優勝者Wインタビュー
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──今後の大会出場や目指す先を教えてください。
RENTAO選手自分のユニークなプレイスタイルやゲームに対するスタンスをより多くの方に知ってもらいたいので、ストリーマーになるという夢を叶えたいです。
Mayageka選手他のeスポーツのタイトルと比べると、『eFootball™』はまだまだ知名度が低いといいますか、傍から見た時、その盛り上がりが伝わっていないと感じています。
ですが、昨年に引き続き今年も「日本人が世界一になっている」という実績もあるので、この流れを途絶えさせないように、より『eFootball™』を盛り上げて、たくさんの方に注目してもらいたいです。
──賞金の使い道は決まっていますか。
RENTAO選手今はジャーナリズムを勉強しているのですが、今後は心理学なども勉強したいと考えています。賞金を使ってもっと自分を磨いていきたいです。
Mayageka選手家族との食事や旅行などに使いたいと思っています。特に母とは一緒の時間を過ごしたいです。これまで家族が「好きなことならしっかり続けなさい」とずっと応援してくれたので、いまの自分があるのは家族のおかげです。
eスポーツ責任者インタビュー(田谷淳一氏)
会場では、「eFootball™」シリーズのeスポーツ分野を統括する田谷淳一氏にもお話を伺いました。
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──ついに迎えた決勝大会が終わりました。大会運営を振り返ってコメントをください。
田谷少し前まではコロナ禍ということもあって、こういったオフライン大会ができない時期がありましたが、ようやく安定して大会を開催できるようになりました。
今年はオフラインで、『eFootball™』のパートナークラブでもある「FC バルセロナ」、「FC バイエルン ミュンヘン」、「マンチェスター ユナイテッド FC」などのクラブと連携して、現地で「Club Event」という取り組みを開催しました。
その各大会のチャンピオン、そしてゲーム内予選を勝ち進んできた方の中から最高峰を決める戦いが今日の決勝大会でした。
そういった背景もあり、無事に大会が終わって今はホッとしています。
──本大会で新たに取り組んだことはありますか。
田谷昨年までは、(オフライン決勝の舞台では)モバイルの選手は8名だけの出場でしたが、今年はモバイルとコンソールの両方で16名ずつ出場いただき、より多くの国と地域からの参加が実現しました。
今回はブラジルのインフルエンサーであるNEGRETE(ネグレチェ)氏にも来日いただき、(大会中の)フリースタイルフットボールのコーナーでパフォーマーと絡んでいただくなどして、大いに盛り上げていただきました。
また、1階のカフェでは、ヒカックゲームズさんをはじめとしたインフルエンサーの方々のファンミーティングも実施しました。
もちろん、世界一のチャンピオンを決めるのが大会の主目的ですが、各国のインフルエンサーさんにも注目してもらえるよう工夫しています。インフルエンサーさんを通じて応援文化を醸成し、ファンが盛り上がるタイミングを作りたいですね。
将来的にはさらにエンターテインメント性を高めながら規模を大きくし、コミュニティ全体で盛り上げるファンフェスタのようなイベントも開催できると、より盛り上がるのではないかと考えています。
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──優勝した選手たちについて、どのような印象を持たれていますか。
田谷Mayageka選手のことは昔から知っていて、今回は「eJ.LEAGUE eFootball™ 2024シーズン」という弊社がJリーグと共に開催しているeスポーツ大会から勝ち上がってきた選手です。
『ウイニングイレブン』の時代から実力もあり、コミュニティを盛り上げてくれていた選手でしたが、長い間世界チャンピオンになれていなかったので、今回ついに彼が優勝して率直に嬉しいです。
また、ブラジルのRENTAO選手は、試合中のリアクションがとてもエモーショナルで、見ている人たちも楽しませてくれるような選手でしたね。そんな彼の喜びや悔しさの感情表現が、試合観戦をより面白いものにしてくれました。
コンソールのプレイヤーは歴史が長く、何度も大会に出ている選手も多いですが、今後はモバイルはプレイヤーの幅が広がり、新しい選手がどんどん出てくるでしょうね。
引き続き、選手たちの個性やパーソナリティーをもっと引き出してファンの皆さんに伝えられるように、配信や事前のコンテンツ作りなどで工夫していきたいです。
──『ウイニングイレブン』から数えて来年でシリーズ30周年を迎えますが、今後の展望や注目してほしいポイントをお聞かせください。
田谷以前は続編のたびに年号が変わって新しい商品として発売する形でしたが、今は基本プレイ無料でお客様の期待やサッカーの流行に合わせてアップデートする形で、リアルタイムな運営サービスを提供していますし、特に初心者の方も参入しやすいように工夫しています。
例えば、週末に活躍した選手が翌週の木曜日に特別なカードとしてゲーム内で配信されます。これによって、リアルのサッカーファンが試合を観戦して「この選手かっこいいな」と思ったタイミングで、数日後にはゲーム内でその選手が使えるのです。
今後もそういったスピード感やクオリティをさらに高めていきたいと思っていますので、今後も『eFootball™』を楽しんでいただきたいですし、まだプレイされてない方も、是非一度遊んでいただきたいと思っています。実際のサッカーの戦術、新しい選手の活躍をゲーム内に反映していくサイクルを作っていますので、実際のサッカーが好きな人であれば、すぐに楽しんでいただけるはずです。
また『eFootball™』は、家庭用ゲーム機がなくても、まずはモバイルで手軽に始められるのが魅力です。モバイルでもコンソールでも同じゲームプレイができるようになっているので、ご自分の環境でいつでも楽しんでいただければ嬉しいです。
サッカーに詳しくない方も、このゲームを通じてお気に入りの選手やチームを見つけて、ぜひ実際のサッカーと一緒に楽しんでみてください。
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異なる言語や文化が交錯する中で、一つの共通言語としてのサッカーとゲームが人々をつなげる光景は、非常に感動的で、『eFootball™』やeスポーツが国境を跨いで楽しめることを、身をもって体感しました。
また、他のeスポーツとは異なる、フィジカルスポーツからの流れを汲んだ独特の観戦の雰囲気は「eFootball™ Championship」シリーズの特徴といえるでしょう。