世界で絶賛され、また、過激なアクションで悪名高い『ゴッド・オブ・ウォー』(以下GOW)シリーズは、華麗なアニメーションを通してプレーヤーに爽快感を与えます。GDC最終日にかかわらず満席だったセッション、「Animation Process of God of War III」では、Sony Santa Monicaスタジオ・リード・アニメーターのブルーノ・ヴェラズケズ氏がアニメーションプロセスを裏付ける原則がいかにGOWの成功に貢献しているかについて語りました。
『GOW』シリーズの主人公、クラトスはこれまでに5作品に登場しているため、キャラクター性や有名神話に基づく世界観を保つのが難しくなりますが、最もプレイヤーに目立つ要素がアニメーションであるとヴェラズケズ氏は語りました。さらに、PSP版の開発などを例に、Sony Santa Monica以外のデベロッパーが開発する場合に備えて、メインシリーズの内容を忠実に維持するための「クラトス・ルール」が設定されました。そのルールとは:
『GOW』シリーズのおもしろみの土台となるアニメーションと操作フィードバックが合併することでユーザーに大きな楽しさを与えますが、これを作成するアニメーターにとっても同じ事がいえるとヴェラズケズ氏は語りました。「QTEの制作はアニメーターが輝く時間なのです。アニメーターの才能を養うだけでなく、最も創造性を発揮出来るチャンスでもあります」。クラトスにはGOW前作に描かれた暴力シーンや映画の迫力あるバイオレンスを作業前に観ることがSony Santa Monicaスタジオの一つのルールです。荒れるがままの主役クラトスをコントロールしてプレイヤーが思う存分に暴れられる、ゴッド・オブ・ウォーの3作目。しかし、暴力の制作がこれほど奥が深かったとは驚きです。
《オーラ・カイ》