国際CGイベント「ASIAGRAPH」のCGアートギャラリーは、東京・秋葉原のカフェASANでキックオフイベント「ロックマンアワード/虎穴賞 アジアの創造力と知的財産」を5月18日に開催しました。『ロックマン』シリーズのプロデューサーを務める北林達也氏と、虎の穴代表取締役社長の吉田博高氏がゲスト登壇。文教学院大学客員教授の川村順一氏と共に、アワード新設の意義を語りました。ASIAGRAPHはアジア地域のCG研究者とクリエイターが集まり、学術発表や作品展示などを行う国際CGイベントです。本年度は東京・お台場の日本科学未来館で10月20日から3日間にわたって開催されます。作品公募は5月16日から7月15日まで、静止画・動画など4部門に分かれて実施中です。今年度は新たにCGアートギャラリー(静止画)部門で「虎穴賞」、特別公募部門として「ロックマンアワード2011」が新設されました。それぞれ「『萌え』をテーマにした静止画作品」「ロックマンを制作モチーフとしたCG作品」が対象で、プロ・アマチュア・学生などは不問としています。はじめに吉田氏は「15年前に虎の穴が秋葉原に出店した前後から、アキバが電気街から萌えの街に変わっていった」と振り返りました。その後、「萌え」を「2次元のキャラクターに恋愛のような気持ちを抱くこと」と説明し、「男性も女性も、思わず初恋をしたくなるようなキャラクターを描いて応募して欲しい」と呼びかけました。優秀作品は商品化による受注や販売のチャンスが提供されるほか、特別展示会の開催も予定されています。ただし二次創作物や模倣作品、露骨な性描写が含まれるものはNGとなります。吉田氏はメカや建物など固い作品ばかり描いていて、フラストレーションが貯まっているクリエイターは世界中にいるとのこと。「ぜひ情熱のはけ口に利用して欲しい」と笑いを誘いました。北林さんは『ロックマン』シリーズの歴史を紹介しながら、これまで全120タイトル、2800万以上が発売されていると解説。制作中の最新作『ロックマン DASH 3』では公式サイトに「開発室」を設け、主人公ロック・ヴォルナットのボディデザインをユーザー投票で決定するなど、ユーザー参加型の開発が行なわれています。こうした背景も手伝って、ASIAGRAPHでの公募にも共感を覚えたと説明されました。もっとも、どのような作品が集まるか、内心不安だったとのこと。しかし、そうした思いも3月24日まで行われた第1次募集で集まった作品を見て、吹き飛んだそうです。予想を超えるハイクオリティの作品群に、「この発想はなかった」と開発チームでも話題になったとか。7月15日まで開催される第2次公募でも、どのような作品が集まるか、非常に楽しみにしていると語られました。ちなみに北林氏に『ロックマン』シリーズのアイデンティティを尋ねたところ、アクションゲームで初めて、キャラクター同士の意味づけを行ったタイトルだったと、回答されました。敵味方あわせて数多くのキャラクターが登場し、それらの関係性で世界観が構築されている・・・。公募に臨む上で、作品制作の参考になるかもしれません。また文京学院大学大学院の客員教授で、旧ナムコで『鉄拳』シリーズなどのプロデューサーも務めた川村順一氏は、これまでコンテンツ産業は地域ごと、ハードウェアごとの縦割り社会だったが、今ではその壁が崩れていると説明。参加企業の面でも、「萌え」という作品性の意味でも、ASIAGRAPHの幅を広げていき、国際的なプラットフォームにしていきたいと抱負を語りました。
『スト6』売上本数250万本間近!カプコンが最新の決算発表―『ロックマンエグゼ』コレクションも140万本突破、『モンハンNow』も人気に 2023.10.27 Fri 『スト6』『RE:4』『エグゼコレクション』……ヒットタイトルが続…