人類はもっとゲームするすべきだ。また、そのゲーム内容を工夫することによって、よりよい社会をもたすことができる、ゲーマーがおかしいのではなく「現実の方がすでに壊れている」というコンセプトを語っています。同様の内容は、昨年のTEDカンファレンスでも語られています。(以下に、字幕付き動画)
ジェーン・マゴニガル 「ゲームで築くより良い世界」
彼女が、世界銀行と開発した「Evoke」というARGを通じて、ゲーマーがアフリカで図書館を作るといった活動にまで成功させた、この本の内容は、2011年のGDCの講演でも高い注目を受けました。NHKの3月に放送されたBSハイビジョン特集「ゲームレボリューション2・賢者の予言」でも紹介を受け、将来的にノーベル賞を受賞する人物がゲーマーから登場するだろうということを述べていました。
翻訳には、シリアスゲームの日本の研究者として、すでに関連書籍を何冊も訳されている東大の藤本徹さんも参加されており、研究の文脈からも正確な翻訳がなされているものと思われます。
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ジェイン・マクゴニガル (著), 妹尾 堅一郎 (監修), 武山政直 (その他), 藤本 徹 (翻訳), 藤井 清美 (翻訳)
(問)エネルギー、環境など世界の諸問題を解決し、人類に幸せをもたらす技術とは? (答)「ゲーム」!──世界最高のイノベーターと評されるカリスマ女性ゲームデザイナーによる刺激的提言
■著者について
ジェイン・マクゴニガル
ゲームデザイナー。代替現実ゲーム(ARG)研究者。1977年、ペンシルバニア州フィラデルフィア生まれ。カリフォルニア大学バークレー校でパフォーマンス・スタディーズの博士号取得。現在は、カリフォルニアにあるシンクタンクIFTFのディレクターを務める。TEDやゲーム開発者会議の基調講演で、ARGや大規模ゲームの活用による個人の幸福の実現や世界的難題の解決を説き、大きな反響を得る。 2006年、『MITテクノロジー・レビュー』による「世界を変える35人のイノベーター」に選出。2009年、『ビジネスウィーク』誌による「注目すべきトップ10・イノベーター」に選出。
妹尾堅一郎
東京大学特任教授(知的資産経営総括寄附講座)、特定非営利活動法人 産学連携推進機構 理事長、CIEC学会(コンピュータ利用教育協議会)会長。
http://www.hayakawa-online.co.jp/product/books/113756.html