国内外のトップゲームメーカーが所属するエンターテインメントソフトウェア協会(Entertainment Software Association、通称ESA)が、“破壊衝動とビデオゲームの関係性”、および“現実の暴力”に関する2つの研究結果を米国とスウェーデンにて昨年末報告しています。研究を直接行ったのはゲームと暴力に関する研究を以前から行なっているChristopher Ferguson教授と、調査・研究の実績が高く評価されているテキサスA&M大学の研究チーム。実験では10才から14才の若者を対象に3種類のテストが行われ、期間は3年間、研究対象は165人。測定には暴力ゲームとの接触に関する評価に加え、反社会的な性格特性、家族と同世代の非行少年少女との関係、家庭内暴力、落ち込みと精神的健康、年代別の暴力事例が利用されたそうです。研究者はこの実験を通じ、暴力ゲームに接触することと若者の破壊衝動には関連が無いと断言。むしろ実際には精神状態の落ち込みや反社会的な性格特性、家庭内暴力、同世代の人間との関係などの方が破壊衝動と関連していると主張しました。また同チームは過去11年間の国際的なジャーナルで発表されている100以上の学術的記事をチェックし分析。これらの殆どが一時的なビデオゲームプレイと実験参加者の攻撃的な振る舞いを評価しているだけであり、また参加者たちの身体的行動では無く考えや態度、感情だけで攻撃性が計測されている欠点を指摘。暴力ゲームと破壊衝動の関連性を証明する明確な証拠は無く、多くが漠然としたレポートであるとも報告しています。
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