「ゲーム本編の行為より病的な批判を受けてしまった」英政治家の標的にされた成人向けゲーム、Steamでの販売終了へ…騒動に嘆き、ゲームと現実の切り分けを強く主張 | GameBusiness.jp

「ゲーム本編の行為より病的な批判を受けてしまった」英政治家の標的にされた成人向けゲーム、Steamでの販売終了へ…騒動に嘆き、ゲームと現実の切り分けを強く主張

開発元に送られた脅迫は、ゲーム内の描写よりも病的だったといいます。

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「ゲーム本編の行為より病的な批判を受けてしまった」英政治家の標的にされた成人向けゲーム、Steamでの販売終了へ…騒動に嘆き、ゲームと現実の切り分けを強く主張
  • 「ゲーム本編の行為より病的な批判を受けてしまった」英政治家の標的にされた成人向けゲーム、Steamでの販売終了へ…騒動に嘆き、ゲームと現実の切り分けを強く主張
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!注意!本記事では、成人向けゲームの話題を取り扱っています。



Zerat Gamesは、成人向けゲーム『No Mercy』をSteamにて販売停止しました。本作は、英国政治家などから非難され、一部地域での販売停止を余儀なくされていましたが、開発元が自主的にSteamから取り下げた形です。

ゲームと現実の切り分けを強く主張

販売停止に伴って発表された声明では、本作で取り沙汰された問題について開発者自身が語っています。まず、ゲームに存在しない内容について、動画が作成されたり、強い確信を持って話すような状態になってしまっていることを指摘し、見た情報が本当に拡散する価値があるものなのか考えるべきだと呼びかけています。

次に、フィクションと現実を混同する人が多く存在し、プレイ後に街に出て卑劣な行為に及ぶ、プレイする人々はみな精神を病んでおり、母親や女性を憎んでいるという作り話が流布されていることに反対しました。

本作の開発においては何度もテスターと話し合いましたが、その全員が本作はゲームであるということを完全に理解していました。開発に関わった人間とそのパートナーは普通の人々であり、開発中に誰かが傷つけられたという事実は絶対にないと述べました。逆に、開発チームにメールで脅迫してきた人々は、ゲーム本編で行われる行為よりも病的だったと話しています。

非常に長い声明であるため、以下では開発者の意見として内容を要約します。一貫して語られているのはゲームと現実を切り分けて考えるべきだということでした。

  • 近親相姦描写は、現実では嫌悪すべきものであり、私たちもそれに同意する。しかしポルノにおいては人気のフェチのひとつであり、健全な人にとっては単なるロールプレイに過ぎない。
    脚フェチ、コスプレフェチなどの種類のひとつでしかなく、これを批判したいのであれば、他人の性的嗜好に深く立ち入りすぎている。

  • レイプ描写があるが、開発者は誰かを傷つけることは望んでいない。しかし、脅迫や男性優位と強く結びついており、それもひとつのフェチである。
    多くの人々にとって不快に感じる内容であることは理解できるが、セックスやフェチは他人に危害を加えない限り、自由であるべきだ。

  • ゲームは他人に危害を加える直接の原因ではない。90年代にポルノとインターネットが登場して以来性犯罪が半減していることが多くの研究で証明されていて、ポルノによって性犯罪率が高まることは疑わしい。銃乱射事件とゲームの関連づける問題によく似ている。

  • 12歳でもゲームが遊べるという報道は非常に不適切。本作はSteamの仕組み上、アカウントを作成し、適切なオプションを選択し、クレジットカードを登録して支払わないと遊べない。
    インターネットには簡単に見られるポルノが大量にあるのに、わざわざ未成年者が手間のかかる本作を遊ぶために突破してくるとは思えない。また、未成年者が見るコンテンツを監督するのは、保護者の責任である。

  • メディアの記事や嘆願書、動画クリエイターによって、成人向けゲームを求めていない多くの人が本作の存在を目にしてしまった。不適切だと感じるなら、当局に報告するなど、静かに処理できたはずだ。
    騒動前は1,000人程度しかアクセスしていなかったが、クリック数や再生回数、募金のために拡散されたせいで、100倍に急増した。実際に誰かが被害を受けているならともかく、誰も被害者がいない本作を問題にすることで、アクセス稼ぎや募金活動を行うのは本当に必要だったのだろうか?

  • 声明時点で、オーストラリア・カナダ・英国の3ヶ国でブロックされている。私たちは全世界と戦うつもりはなく、非常に協力的で素晴らしい仕事をするValveやSteamにも迷惑をかけたくない。そのため、Steamから取り下げを決定した。

  • ここまで読んでも、まだ本作が作られるべきでなかったと感じるのなら、お詫びする。同時に、あなたが不快に感じたとしても、誰にも危害を加えないフェチに対してもう少し寛容になってほしい。ゲームはあくまでゲームであり、これからもそうあり続ける。

本作の新規購入はすでに不可能となっていますが、すでに購入していた人は今後もライブラリに残ります。今後Steam以外で販売されるのか、それともお蔵入りになってしまうのかは不明です。

《みお@Game*Spark》

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