CEDEC 2013にて、ディー・エヌ・エーの野上大介氏がDAUとサービスの動向の相関について「決定版:サービスの盛り上がり具合をユーザの数(DAU)から読み解く方法」と題した講演を行いました。DAUとはデイリー・アクティブ・ユーザー(Daily Active Users)の略で、そのアプリを一日のどのくらいのユーザーがプレイしているかをカウントしたものになります。一般的に、DAUが増えればアプリが盛況に向かっている、減っていれば低迷していると判断されることが多い指標です。野上氏は、まずDAUについて「売り上げの根拠にされることが多く、増減に一喜一憂する」「ノイズが多く、指標としては正確性に欠ける」「サービスが安定したら見なくてもよいと思われる」という認識が大部分であると語りました。それは一面において正解ですが、野上氏はDAUからはより多くの情報を引き出せると主張します。野上氏は実際に運営しているタイトルを例に取り、DAUを「直近の30日間に何日ゲームをプレイしたか」と「一日に平均何度ゲームをプレイしたか」の2つのパターン別に色分けした指標を提示しました。このタイトルはリリースから3年以上が経っており、今なお堅実な売り上げを維持しています。この3年間を8つの時期に分け、時期毎に起きた出来事と施策を説明しました。最初の半年〜一年は、プロモーションの効果などもあり順調にDAUが伸びています。毎日来るユーザーも増え、DAUの増加と売り上げも比例していました。二年目に入ると、ユーザー増加のためにログインボーナスを導入。これにより、毎日来るユーザーが増加しました。しかし、売り上げ等の反応は鈍い状態が続きます。そこでユーザーの一日のプレイ回数を確認すると、皆勤賞だったユーザーもみな低頻度しかプレイしていないことが判明しました。そこで、ログインボーナスの内容を変更したところ、DAUの総量は減ったものの、密度の濃いプレイをするユーザー数は維持され、実体に近い数字に落ち着きました。また、売り上げ維持のために高額な課金アイテムを発売したところ、皆勤賞で一日のプレイ回数も多いプレイヤーは減り、アイテムの効果や値段を適正値に戻したところ現状維持となった時期もありました。このように、DAUを単なる数字ではなく中身を把握することで、現在のユーザーに最適な対応が出来る、と野上氏は語りました。現在は成長したユーザー向けのPVPイベントを導入し、毎日来るわけではないがイベント時には頻度の上がるユーザーが増えたそうです。そのため、売り上げも堅実な数字が出ているとのことです。最後に野上氏は、「DAUというのは、車で言うところのスピードメーターのようなものです。実際に目で見ているスピード感や、エンジンの挙動なども大事ですが、時には実際に出ている速度を確認することも必要ですね」と述べ、講演を終了しました。
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