CEDEC2013において、スクウェア・エニックスの荒木竜馬氏が『ドラゴンクエストX おでかけモシャスdeバトル』を題材に、「お客様をおもてなしするゲームデザイン」の講演を行いました。『ドラゴンクエストX おでかけモシャスdeバトル』は、ニンテンドー3DS向けにリリースされたダウンロード専用タイトルで、ニンテンドー3DSに搭載されているカメラで顔の写真を撮り、それを元にモンスターカードを作って敵と戦うという、カードバトルゲームです。荒木氏は、このゲームをデザインする時に心がけたという5つのポイントを挙げました。ますは、「ゲームの目的で変わるゲーム設計」です。これは、ゲームの目的と対象のユーザーをはっきり定め、それにあったゲーム設計を行うということ。『ドラゴンクエストX おでかけモシャスdeバトル』も、最初にあったグランドストーリーやレベルアップなどの要素を削り、最終的には「『ドラゴンクエストX』をプレイしているユーザーに、外でも気軽に遊んで欲しい」という目的に沿ったシンプルなゲームができあがりました。続いて「さわりごこちの良さを」。メニューの並びや、画面遷移などのインターフェイスをユーザーに使いやすいようにデザインすることが大切です。3つ目は「どう遊んでもらいたいかをわかりやすく」。遊んでもらいたいポイントをわかりやすく表現し、詰まった時のヒントもわかりやすいところから表示します。また、ゲームで疲れないよう、プレイの止め時を意識的に設けることも重要だと荒木氏は語りました。4つ目は「手ごたえのあるバランスとは」です。荒木氏はこれを「簡単にしてもクソゲー、難しくしすぎてもクソゲー」と表現しました。こうならないために、一撃死や1ターンキルを極力廃し、敵の行動ルーチンも正解に鳴りすぎないようバランスを意識しているそうです。また、クリアできないユーザーに対しては、より強いモンスターを入手できる方法を用意するなど、クリアに至るまでの道筋を1つにしないということも、大事なポイントとしてあげられました。最後は「学んだことが次のプレイで活かされるしくみ」。ステージ毎にテーマを設けて、システムの理解度を深める、カメラのレンズごとに強さを明確にするなどの要素と入れ、自分が学習して強くなっているという快感を得てもらおうというポイントです。この5つのポイントを意識して、お客様をもてなすという心構えを忘れずに開発すれば、ユーザーには喜んでもらえるでしょう、と最後に語り、荒木氏は講演を締めくくりました。
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