GameBusiness.jpの読者のみなさま、こんにちは。DiGRA JAPAN(日本デジタルゲーム学会)の七邊です。第9回目の「ゲーム・アカデミクス」では、学会のサイトで先日公開しました「ゲーム研究に対する研究助成事業のリスト」についてご紹介したいと思います。研究を遂行するためには、とても多くのお金がかかります。調査や実験には、実験機材やパソコン、分析ソフトの購入が不可欠ですし、学生さんなどに有給で仕事をお願いする必要もあります。また、分析のための枠組を作ったり、自らの研究の位置を確認するためには関連書籍や論文を読みこむ必要があります。さらに、研究の成果を発表したり、最新の研究成果を知るためには、学会大会や国際会議に参加し、論文を投稿しなければなりませんが、そのためには、旅費や参加費、英文校正費などが必要になります。加えて、国内外で現地調査(フィールドワーク)をする場合には、現地滞在のための旅費や調査協力費などを用意する必要があります。大学の専任教員は大学から研究費を支給されますが、研究室の運営等に充てる必要があるため、研究のためには外部から研究資金を取ってこなければなりません。ましてや、学生やパートタイムの講師・研究員は、研究資金を確保しなければ研究を行うことがほぼできません。そこで研究者は、自らの研究に助成してくれる団体を探し、助成の申請を行う必要があります。日本では、ゲーム研究に対して、科学技術融合振興財団(FOST)や中山隼雄科学技術文化財団をはじめとした団体が、研究助成を行っています。昨年12月に開催されたFOSTの講演会では、財団理事長の襟川陽一氏(株式会社コーエーテクモホールディングス代表取締役社長)がFOSTの目的や活動について話されていましたが、同財団の20年にわたる、また他の研究助成事業団体の方々によるご支援とご厚意によって、日本のゲーム研究の多くが可能になった、と言ってまったく過言ではありません。また近年では、文部科学省所管の独立行政法人である日本学術振興会(JSPS)や科学技術振興機構(JST)も、ゲーム研究に対する研究助成を行っており、その支援を通して、ゲーム産業・文化やゲームの社会利用に関する重要な研究が蓄積されています。■「ゲーム研究助成事業リスト」の目的しかしながら、ゲーム研究に対する助成事業に関する情報は、一部の研究者の間で、しかも断片的に交換されていただけだったため、ゲーム研究に新たに参入する人たちは、手探りで情報を集める必要がありました。また、海外の研究助成事業の情報は日本ではあまり知られていない状態にありました。「ゲーム研究に対する研究助成事業のリスト」は、こうした情報の不足状態を改善することを目的にしています。日本の学術的なゲーム研究の活性化に、本リストが少しでも貢献することができましたら幸いです。なお本リストは、日本デジタルゲーム学会が提供している「ゲーム研究関連リスト」の第2弾です。「ゲーム・アカデミクス」第6回でもご紹介しました、第1弾の「日本でゲーム研究を専攻できる大学院・大学リスト」も随時更新していますので、宜しければあわせてご参照下さい。
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