書籍のなかで、ライトノベルと呼ばれる若者向けの小説が存在感を持つようになって久しい。ファンタジックな設定や軽快な文章、そして華やかなビジュアルが若い世代から絶大な支持を受けている。シリーズで数百万部、時には1000万部を超える大ヒットも生み出される。多くの作品はアニメ化され、大ヒット作も多く、いまやライトノベルとアニメは切っても切れない関係だ。しかし、そんなヒット作はどうやって創られているのだろうか。そんな読者の疑問に答える一冊が12月10日にKADOKAWAより発売される。三木一馬による『面白ければなんでもあり 発行累計6000万部――とある編集の仕事目録(ライフワーク)』だ。三木一馬は国内のライトノベルを代表するレーベル「電撃文庫」に携わり、現在は編集長を務めている。これまで関わった作品は、鎌池和馬『とある魔術の禁書目録』(累計1580万部)、川原磔『ソードアート・オンライン』(世界累計1670万部)、高橋弥七郎『灼眼のシャナ』(累計860万部)など。いずれもアニメ化されており、ラノベファンでなくても多くの人が目にしたことあるタイトルばかりだ。担当作品は約500冊にもなり、その累計部数は6000万部にも及ぶ。『面白ければなんでもあり 発行累計6000万部――とある編集の仕事目録(ライフワーク)』は、そんなヒットメーカーである三木が、自身の思考法や仕事術などを語るものだ。またヒット作のエピソードなども明かすとあり、ファンにも堪らない。作者が作品の創作に語ることは少なくないが、それを支える編集者の声は伝わりにくい。現在を代表するカルチャーであるラノベを知るよい機会となる。また本書の刊行にあたり、特設サイトが開設されているのも注目したい。そこでは内容の紹介や、各章の見出しがあり、試読みも可能だ。“『ソードアート・オンライン』のイラストレーター選定の裏には……”“初ヒット作『灼眼のシャナ』の勝因は『偶然』と『運』”など気になる言葉が並ぶ。そして本書ならではの華やかなクリエイター陣の推薦文も楽しめる。人気作家は勿論、長井龍雪、伊藤智彦といったアニメ監督の名前もみられる。ここからは三木一馬の仕事の幅広さも窺われる。本書は12月10日KADOKAWAより刊行、税別1200円だ。『面白ければなんでもあり 発行累計6000万部――とある編集の仕事目録(ライフワーク)』著者:三木一馬 カバーイラスト:abec 仕様:四六判・ソフトカバー ページ数:296ページ定価:本体1,200円+税発売日:2015年12月10日 発行:株式会社KADOKAWA