英ARM傘下のGeometricsは同社が提供するリアルタイムグローバルイルミネーション技術「Enlighten」で、広大なオープンワールドにおけるリアルタイムのグローバルイルミネーションを実現したと発表しました。同社がNinja Theoryと共同開発したPC/PS4向けのデモ『Seastack Bay』では、常に30fpsを維持しながら室内、峡谷、森林、海岸など25km2の広大な世界でリアルタイムでダイナミックなグローバルイルミネーションを実現しています。グローバルイルミネーションは間接光まで考慮した自然なライティングを実現するもので、膨大な処理性能を必要とし、大規模なオープンワールドでの実現は困難でした。「Enlighten」の新技術では遠くのジオメトリのグローバルイルミネーションを近くのジオメトリのそれよりも低解像度で実行することで、過ぎられた性能でも広大な範囲のグローバルイルミネーションを実現しているとのこと。さらに新しい技術では、渓谷や崖のような閉鎖的だったり狭い場所でも物理的に正しい結果を導くほか、閉鎖した空間から開かれた空間までを連続的に移行可能だとのこと。ARMのメディアプロセッシンググループ副社長兼ジェネラルマネージャーであるMark Dickinson氏は「ARMのEnlightenグローバルイルミネーション技術は、常に進化しながらゲームのライティング技術に新しい可能性を追求しています。ラージワールドに対応する今回の新しい機能により、これまで性能上の制約によって不可能だった高いクオリティや新しいスタイルのユーザー体験を実現することができます。最新のダイナミックグローバルイルミネーション効果が、今後、多数のオープンワールドゲームに採用されていくでしょう」とコメントしています。Ninja Theory社の共同設立者兼チーフクリエイティブディレクターのTameem Antoniades氏は「Hellbladeのルック&フィールにおいて自然光の美しさを再現することは極めて重要です。現実と同じ様な鮮やかな世界で、リアルタイムなダイナミックライティング効果をターゲットフレームレートで実現することは大きな課題になったと思われます。しかし、Enlightenのおかげでそれが可能になり、Hellbladeでのゲーム体験に大きな価値を付加することができます」とコメントしています。「Enlighten」はマルチプラットフォームに対応し、『スター・ウォーズ: バトルフロント』『ニード・フォー・スピード』『ストリートファイターV』などのゲームで採用されているとのこと。
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