米国に本社を持つアマゾン・ドット・コムが、映像配信ビジネスで攻勢を強めている。2016年5月10日(現地時間)、アマゾン・ドット・コムはユーザーが自ら映像を投稿し、アマゾンのユーザーに届ける新サービス「Amazon Video Direct(AVD)」をスタートした。 AVDはアマゾンがすでに手掛けている映像配信サービスのAmazon Videoのサービスのひとつとなる。アマゾンのアカウントを持っていれば誰でも映像をアップロードでき、Amazon VideoとAmazon Prime Videoでの視聴が可能になる。動画の提供者は、広告や、視聴に基づく配分、動画の販売などで収入を得ることができる。
アマゾンはオンライン上の書籍販売からスタートした巨大なECサイト。書籍や映像ソフト、音楽などの販売を得意とする。デジタル販売にも積極的で、電子書籍販売の世界的大手である。 近年は映像関連の配信サービスにも力を入れている。2011年に映像配信サービスをスタートし、現在は日本では2015年に導入された定額で人気作品の映像も見放題になるAmazon Prime Videoに力を入れている。
AVDのサービスは米国に限定しない。映像配信先は米国のほか、ドイツ、オーストラリア、イギリス、そして日本から、投稿者が選択することが可能だ。サービスの立ち上がり段階で、日本向けにどの程度利用があるかは現時点での判断は難しい。 しかし、サービスの一部は、日本の動画投稿共有サービスのniconicoとも競合する。国内のAmazon Prime Videoは、ユーザーの囲い込に日本アニメの有力タイトルの獲得に力を入れている。アニメ業界関係からも関心を呼びそうだ。AVDは競争が激化する日本の映像配信サービスの新たな波乱要因ともなりそうだ。
アマゾンが動画投稿共有配信サービス「Amazon Video Direct」開始YouTube、niconicoは?