■自社メディアに掲載する“漫画”記事を作成
ーープラコレに入社されるまでの経歴を簡単に教えてください
入社前は、美大で油絵を描いていました。油絵を続けて大学院へ進もうと考えていましたが、ひょんなことからブライダル業界に興味を持ち、就職を意識するようになり、プラコレと出会いました。
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ーー現在の業務内容について教えてください
現在はほぼ“漫画家”として活動しています。おもに、弊社の運営するウェディング情報サイト「Dressy by プラコレ」(https://dressy.pla-cole.wedding)内で、結婚式場や会場、サービスなどの情報を一般ユーザーさんにわかりやすく説明する漫画を描いています。当初はテキスト記事メインのサイトでしたが、情報を提供してくれるクライアントさまから「漫画、描けるんですか?」と興味を持っていただいて、少しずつご依頼が増えてきました。
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漫画以外にも、季節ごとに変わるサイトロゴのデザインから、社員の名刺のデザインや似顔絵まで、デザイナーや漫画家といった業種の型にはまらず、クリエイターとしてマルチに活躍できる環境がプラコレの魅力だと思います。直近では、9月16~17日に人気の結婚式場TRUNK(HOTEL)で開催される「東京ウェディングフェス」というイベントのロゴとフライヤーのデザインも担当しました。
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■自ら打ち合わせに行き、伝えたい内容をすり合わせてから作画に入る
ーー仕事の流れはどういった形で進めていくのでしょうか
漫画で情報を掲載したいというクライアントさまからの案件を受注した場合、私自身が直接取材に行くことからはじまります。まず、漫画を通じてユーザーさまに何を伝えたいのかをきちんと摺り合わせます。
その上で、構成案としてのラフを確認いただき、OKが出たら作画へ。漫画が完成したら、先方の最終確認を経て公開される、という流れです。たとえば全15コマ程度の漫画の場合、記事本文/漫画の台詞等を先に考える『記事構成』に2日。漫画内のイラストの下書きや仮着彩をおこなう『ラフ』に1~2日。そして『仕上げ』(ペン入れ/着色)に3日程度。基本このローテーションで制作しています。別案件が並行していたり、先方の修正が重なることもあるので、受注~公開までは2週間~1ヵ月ほど頂戴しています。
はじめの『記事構成』は特に重要な部分で、部署の仲間に相談して知恵を借りることも多いです。メンバー全員の力をもって、より良い形にしてユーザー様に届けていくことがモットーです。
■外部モニターなし!MacBook1台とペンタブ、フリーソフトで作業は完結
ーー現在作業されている環境について教えてください
漫画の作画については「MacBook Pro」と、学生時代から使っているワコムのペンタブ「Intuos Draw」を使っています。モニターももっと大きいものを会社から用意するとか言われていいますが、使い方もよくわからないので、「大丈夫です。これ1台でやります」と(笑)。ハード面では現状に不満などはありません。「Intuos Draw」についてはパッドのサイズ感もちょうどよく、ペンの書き心地も気に入っています。
ソフトは、学生時代に趣味で漫画を描いていた時から使っている無料のペイントソフト「FireAlpaca」で作画しています。フリーソフトですが、慣れ親しんでいることもあって、すごく使いやすいです。バージョンは常に最新にしています。「Photoshop」や「illustrator」も会社から支給されているのですが、やっぱり使いやすいのは……。
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ーーそれぞれ、使い始めたきっかけはなんだったのでしょうか
ペンタブに関しては、中学生時代に友人内でお絵かきチャットがはやり、マウスよりも素早くデジタル絵を描きたくなって購入したのが始まりです。他社製品と使い比べたことはないのですが、小さくて場所をとらず、持ち運びに便利なところが気に入っています。
「FireAlpaca」は、高校時代に同じくイラストを描く友人に勧められたのがきっかけです。当時、好きでよく使っていた「手書きブログ」というサイトの描き味に似ているとのことで、さっそく使用してみたところすぐにほれ込んでしまいました。必要な機能だけがスマートに揃っているところが使いやすく、最新版ではバックアップ機能がついたので、こまめな保存を忘れがちな自分としてはとても助かっています。ほかのソフトも使ったことはありますが、やはりFireAlpacaの描き味が一番好きで、今はこれ一本になっています。
ーー集中力を高めるための工夫があれば教えてください
作画に入る前のラフは、愛用のクロッキー帳を使っています。オレンジ色が大好きなので、クロッキー帳に書き込むときはもっぱらオレンジ色のサインペンです。これを使っているときには自然とテンションが上がってきて集中できますね。
あとは月並みですが音楽を聴いたり、外界から自分をシャットアウトしたりします。よく聴いているのは「aiko」とか「スピッツ」。学生時代、製作中によく聴いていたので、聴くと「よし制作だ!」という気分になります。
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ーー今後使ってみたいツールや、習得したい技術などあれば教えてください
将来的には最新機器も使っていくべきだと思います。現状の環境で不満はないのですが、最新機器や有料ソフトを使えば、きっと今以上に表現できることも変わっていくと思うので、今後は積極的に取り組んでいきたいと考えています。
そういう意味で、ちょっときになるのはワコム 液晶ペンタブレット 13.3フルHD液晶の「Cintiq 13HD」を使いこなしてみたいです。
ーー過去に影響を受けたり、いま気になっているクリエイターの方がいれば教えてください
デザイナー特化の採用マッチングサービスを提供する「ViViViT(ビビビット)」というサイトの「キュピピットといく!美大生の就職活動の日々。」という就活漫画を描いている日野文恵さんです。就活中、好きでよく読んでいて、落ち込んだときはこの楽しくてかわいい漫画に元気付けてもらいました。今でもたまに思い出して読むことがあります。
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ーー本日はありがとうございました。
<作業機材スペック>
【PC】
Apple:「MacBook Pro(13-inch, 2016, Four ThunderBolt 3 Ports)」
プロセッサ/3.3GHz Intel Core i7
メモリ/16GB 2133MHz LPDDR3
グラフィックス/Intel iris Graphics 550 1536MB
【ペンタブレット】
ワコム:「Intuos Draw(CTL-490/W0)」
外形寸法/210.0×169.2×10.7mm 約290g
読取可能範囲/152.0×95.0mm
(http://www.wacom.com/ja-jp/products/pen-tablets/intuos-draw)
【ペイントソフト】
PGN Inc.:「FireAlpaca」
(http://firealpaca.com/ja/)