漫画界のイースターエッグ「吉田輝和」について

吉田:作中、吉田輝和とおぼしき中年男性が登場しますが、なぜ登場するようになったのでしょうか?
川崎氏:「惰性67パーセント(集英社)」の紙魚丸先生が作中でいじってるの見て、それで調べてみたら絵日記サイト時代からずーーっと自画像を描いているっていう吉田輝和さんに行き着いて。一体何者やねんと。ちょこちょこ他の人が描き出した流れがあったので自分も描いてみた感じですね。
遠藤氏:仕上がった原稿を見て「ここのオッサンだけえらい絵柄違いますね」って言ったら、川崎さんが「吉田輝和さんですよ」と。そんなことも知らないのオマエ、みたいなテンションで言い返されて、地味にイラッとしました。
吉田:川崎先生がたびたび「あのおっさんを出したら売れるぞ」みたいな感じでプッシュしてくださって非常に嬉しかったのですが、編集さんに怒られないかなぁと気が気でなかったです。
遠藤氏:でも今では私も吉田さんのスタンプを愛用してます。川崎さんとのLINEでは、たまに吉田さんのスタンプだけでやりとりが完了したりしますね。
吉田:わあぉ、スタンプありがとうございます!くっそ売れてないスタンプです!(吉田輝和のLINEスタンプはこちらからどうぞ)
川崎氏:漫画家仲間に「漫画界のイースターエッグ的存在の人がおるで!」っておすすめしまくっていて、最終目標は、末次由紀先生の「ちはやふる(講談社)」に吉田さんが出るようにする事です。
吉田:最初に吉田輝和を登場させた紙魚丸先生が母だとすると、育ててくれた川崎先生が父ですね。
川崎氏:その表現(爆笑) 感謝します。
吉田:Game*Sparkで連載している「じゃんげま」では、主人公のろめ子がPCゲーマーになったきっかけが描かれた番外編がありますが、ちおちゃんがPCゲーマーになったきっかけというのは今後語られるのでしょうか?
川崎氏:んーーーーーーー確かに面白そうですね。実際今まであんまり考えてなかったです。
吉田:これから語られる可能性があるかも……という感じですかね。
川崎氏:じゃあアニメのBOXの特典漫画で描きたいと思います。
遠藤氏:それは良い考えですね。
吉田:わぁ楽しみですね!爆売れ間違いなし……!
川崎直孝先生が考える名作ゲームとは?

吉田:川崎先生が今までプレイした中で一番の名作ゲームはなんでしょうか?
川崎氏:甲乙つけがたいところなので、ふたつあげるならば『オーバーウォッチ』と『PUBG』です。ゲームの完成度という観点というよりは体験としての楽しさが優れているという理由であげました。
吉田:オンライン対戦型のゲームが好みという事なんでしょうか?
川崎氏:ですね。初めてオンラインでフレンドを組んで、Skypeで会話しながらパーティで突撃したのが『オーバーウォッチ』でした。
吉田:やはりワイワイやるのは楽しいですもんね。
川崎氏:同作は、ロールによって立ち回りが違うので、ほかのロールのプレイヤーと連携を取っていくチームプレイの楽しさに感動を覚えましたね。そもそもゲームとしての出来も素晴らしいですし。
『PUBG』は、広大なフィールドでの移動が多く、比較的戦闘が起こりづらいゲームですが、みんなでやると移動中の会話が多くなりコミュニケーションツールとして優秀な側面があると思います。
吉田:仲間内でダラダラとダベるのにも最適なんですね。
川崎氏:「一緒に『PUBG』やりましょう」の一言で初対面の作家さんでも仲良くなれたので、そういう意味でやっぱりゲームっていいなーと思えたのが『PUBG』です。
ゲーマー女子日常系漫画「じゃんげま」を語る
吉田:「ちおちゃんの通学路」はもちろん、ゲームを題材としている漫画は他にもたくさんありますが、川崎先生が今一番注目しているものはありますか?
川崎氏:「じゃんげま」が単行本化するので、やはり「じゃんげま」ですね。注目してます!売れてくれーーーーーーーーーーーーーー!
吉田:ずばり「じゃんげま」の魅力とはなんでしょうか?
川崎氏:真正面からのゲームネタと、女の子漫画としてキャラの魅力を引き出すという、なかなか相容れない要素を高い次元で成立させている上にフルカラーなので、すげーとしか言えないところです。
吉田:たしかに……!「じゃんげま」の中で好きなエピソードはありますか?

川崎氏:112.「バキバキ」の巻ですね。この話がキャッキャしてて好きです。たまーーーーーにあるエロ要素が良い……。
吉田:神回ですね!バッキバキ!エロ要素は大事ですね。やはり好きなキャラクターはえいむちゃんですか?
川崎氏:そうですね。「じゃんげま」はえいむ先輩の寛容さで出来てると思います。
吉田:女の子がキャッキャしてるだけでも嬉しいのに、題材がゲームという事もあって2倍嬉しいですよね。
川崎氏:Stggc先生もそのあたりのバランスは苦心されているそうで毎度正座して読んでいます。
吉田:同じく女の子がキャッキャしてる上に題材がゲームで2倍嬉しい「ちおちゃんの通学路」と「じゃんげま」の共通点があれば教えてください。
川崎氏:PCゲーマーを具現化したときに、メガネ&陰キャラでちょっと性格がヒネてる感じに仕上がるというのはちょっと面白いと思いました。マイナーを自覚する自虐性がちょっとあるのかもしれないですね。

吉田:最後に、これまで漫画を読んでくれているファンや、アニメ放送をきっかけに「ちおちゃんの通学路」が好きになった人、当サイトの読者に向けてメッセージをお願いします!
川崎氏:もしかしたらこの先、戦場のどこかでちおちゃんが使う「bloody_butterfly」という名前を見かけるかもしれません。その際はお手柔らかにお願いいたします。
吉田:ありがとうございました!アニメの放送も始まって、人気漫画の階段を駆け登っていく「ちおちゃんの通学路」、今後とも楽しみにしております!