マイクロソフトは、クラウドゲーミングサービス「Xbox Cloud Gaming(旧・Project xCloud)」の日本での正式なサービス開始を10月1日に決定することを発表しました。日本と同時に、オーストラリア、ブラジル、メキシコでも解禁され、全部で26の国で展開されることになります。
Xbox Cloud Gamingは、Xbox Series X|Sといった次世代Xboxコンソールだけではなく、ゲーミング用ではないPCやiOS、Androidデバイスなどからクラウド経由でアクセスできるサービス。インストールファイルサイズの大きいAAAタイトルでもダウンロードの手間なくプレイできる手軽さが魅力です。
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ゲームはデータセンターに設置されたXbox Series Xによって動作しており、次世代機を持っていなくともXbox Game Pass Ultimate会員はそれを通じて、高速ロードや高フレームレート、美しいグラフィックといった利点を享受しながら100本近い対象タイトルをプレイできます。
AndroidデバイスはXbox Game Passアプリから、PCはXboxアプリからアクセスできるほか、ブラウザで専用ページを開けばあらゆるデバイスからプレイできます。
対象タイトルには『Forza Horizon 5』や『Halo Infinite』といった発売予定のXbox Game Studiosの作品から、『TES』シリーズや『Fallout』シリーズなどのベセスダ・ソフトワークス作品、さらには『ニーア オートマタ』『ドラゴンクエスト XI S』『龍が如く』シリーズなどの日本のタイトルも存在。コントローラーを繋がなくても、タッチコントロールに対応する作品も多くあります。
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「地球上のすべての人にゲームの楽しさをもたらしたい」
マイクロソフトが見据えるXbox Cloud Gamingの戦略
ここからは、Xbox Cloud GamingのCVPを務めるKareem Choudhry氏およびXbox Cloud Gaming内のプロダクト&ストラテジーを統括するVPを務めるCatherine Gluckstein氏がグループメディアセッションで語った内容のレポートをお届けいたします。
本セッションで語られた話の大きな柱の1つは、「なぜクラウドゲーミングなのか?」ということ。マイクロソフトのミッションは、地球上のすべての人にコミュニティとゲームの楽しさをもたらすというもの。あらゆるデバイスでいつでもどこでもゲームが遊べるXbox Cloud Gamingはまさに、そういったミッションの一部になります。
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世界には約30億人のゲーマーがいると言われていますが、全員がゲーミングPCを所有しているわけではありません。マイクロソフトは、そういったもっと広いユーザーにXboxのゲームを広め、自分の持っているデバイスで遊べるように開放したいと考えています。日本のコンソールユーザーの80%以上はPCやモバイルでもゲームをプレイしているそうで、これが正しいビジョンであると確信しているとのことです。
もちろん、Xboxコンソールユーザーにとっての恩恵も。例えば、自宅のXbox Series Xで『Forza Horizon 4』をプレイした後、テレビの前を離れタブレットでプレイ。この際、セーブデータはクラウドの保存されているため先程プレイした進行状況をそのままに、すぐにプレイを再開できます。このように、すべてのユーザーが「いつでもどこでも」を叶えられるサービスとなっているのです。
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このサービスを成功させるためには、「コンテンツ」「コミュニティ」「クラウド」の3つの要素が重要となってきます。
コンテンツ:ファーストパーティであるXbox Game Studiosやベセスダ・ソフトワークスのタイトルのほとんどは発売初日からXbox Game Passの対象になりますし、サードパーティのタイトルも充実しています。
コミュニティ:これらのコンテンツをコミュニティの力と組み合わせて提供します。現在、Xboxのネットワークサービスには月間アクティブユーザーが1億人以上存在し、Xbox Game Pass会員は1,800万人以上にも上ります。
クラウド:コンテンツとコミュニティをつなぐ技術的要素。より自由なデバイスでプレイできるようになることで、コミュニティも拡大します。
マイクロソフトはクラウドゲーミングに投資し力を入れていますが、あくまでPCやコンソールでのゲームを拡張することが目的。コンソールやPCでのゲームを置き換えようという意図は無く、すでにプレイされている方にはさらなる選択肢を、クラウドでしかゲームができない人もサポートするということがねらいです。
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いよいよ日本でもスタートするXbox Cloud Gaming。 Xbox Game Pass Ultimate会員の方は、多くのローカライズ済みタイトルやタッチコントロール対応作品と共に、新たなゲームのスタイルとして試してみてはいかがでしょうか。