気になる新作インディーゲームの開発者にインタビューする本企画。今回は、Cellar Door Games開発、PC向けに4月29日に正式リリースされた世代交代ローグライトアクション『Rogue Legacy 2』開発者へのミニインタビューをお届けします。
本作は、世代交代をしながら、ランダム生成されるステージを攻略していく、メトロイドヴァニアとローグライトの要素を掛け合わせたアクションRPG。前作から手書き背景と3Dキャラクターを融合した2.5Dスタイルに生まれ変わり、新たな武器やエリア、メトロイドヴァニアとしての機能を強化する「家宝」システムの導入など、多くの新規要素が追加されています。記事執筆時点では日本語未対応。
『Rogue Legacy 2』は、2,570円で配信中。
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――まずは自己紹介をお願いします。一番好きなゲームは何ですか?
Teddy Lee氏(以下Teddy)こんにちは、Cellar Door GamesのゲームデザイナーのTeddy Leeです。子供の頃に『RPGツクール95』のようなツールを使ってゲーム開発を始めました。あれから20年以上経ちますが、未だに自分が何をやっているのかわかっていません。
一番好きなゲームを一つ選ぶのは難しいですが、特に心に残っている作品は『スーパーマリオRPG』『クロノ・トリガー』『聖剣伝説2』ですね。
――本作の開発はなぜ始まったのですか?
Teddy本作の開発を決めた理由は、前作『Rogue Legacy』の完成後、まだまだやりたいことがたくさん残っていたからです。前作から5年も経ってから続編を作ることとなった唯一の理由は、このジャンルから一度少し離れてみる必要があると思ったからです。結果的には良い決断だったと思っています。
前作から本作までの期間に、開発チームも成長することができました。おかげで、本作の内容についてはよりアグレッシブになれたと思います。
――本作の特徴を教えてください。
Teddy本作はローグライトであり、キャラクターが死ぬたびにその子供が引き継いでいくこととなります。子供一人ひとりが個性的ですので、プレイするたびに異なる体験をすることが可能です。ある時は色弱のアーチャーとしてプレイし、またある時はヴァンパイアに噛まれたボクサーとしてプレイすることとなるのです。
本作は軽快なゲームですが、難度はとても高いです。他の一般的なローグライクとは異なり、死んでも広場に戻ったりはしません。倒したすべてのボスは倒されたままで、稼いだゴールドはすべてヒーローたちの強化に使用できます。
プレイヤーのレベルを上げることができるという能力はとても重要で、これはバトルシステムに奥深さを与えたいと思ったからです。プレイヤーを強化することができることから、様々なスキルレベルのプレイヤーに遊んでもらいやすくなっています。とても上手なプレイヤーはすぐにクリアできますし、カジュアルゲーマーは時間をかけてプレイヤーを強化できますので、簡単にボスを倒すことができるようになるのです。
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――本作はどんな人にプレイしてもらいたいですか?
Teddy主に2Dアクションや即興プレイが好きな人に向けて開発しました。本作はとても難しいですが、プレイヤーは高い機動力を持っているので、敵の攻撃を避けることができるようになっています。
――本作が影響を受けた作品はありますか?
Teddyバトルやマップの移動システムは『メトロイド』シリーズや昔の『悪魔城ドラキュラ』シリーズ(『サークル オブ ザ ムーン』『キャッスルヴァニア ~暁月の円舞曲~』など)から大きな影響を受けています。多くの人が、私たちが『悪魔城ドラキュラX 月下の夜想曲』から影響を受けたと思っているようですが、私は子供の頃にプレイステーションを持っていませんでしたので、かなり後になるまでこの作品をプレイする機会はありませんでした。
ローグライク要素は『Dungeons of Dredmor』というインディーゲームから影響を受けています。『The Binding of Isaac』や『Spelunky』から影響を受けたと言われることも多く、これらは確かに素晴らしいゲームですが、前作をリリースするまでこれらの作品を遊んだことはありませんでした。
――本作の日本語対応予定はありますか?有志翻訳は可能ですか?
Teddy日本語対応予定はあります!有志翻訳は素晴らしいことですが、このような大変な仕事を誰かにお願いすることはできません。本作にはおよそ68,000単語が出てきますので、ローカライズ会社と協力してしっかりしたものを日本にお届けしたいと思っています。
――新型コロナウイルスによる開発への影響はありましたか?
Teddy私たちはインディースタジオなので、オフィスはありません。通常、開発メンバーは全員リモートで作業を行なっています。本作の開発をスタートさせるとき、トロントに住むメンバーのためにオフィスを開こうということになりました。オフィスといっても、週に3日仕事をするだけのホームオフィスです。
新型コロナの感染が拡大し始めると、私たちはまた自宅から作業をするようになりました。元々の形に戻っただけなので、とても簡単でしたね(笑)。
――本作の配信や収益化はしても大丈夫ですか?
Teddyもちろんです!ぜひ私たちのゲームの配信をしていただきたいですし、それでお金を稼ぐことができるのならより良いですよね!
――最後に日本の読者にメッセージをお願いします。
Teddy本インタビューを読んでいただき、ありがとうございます。本作が日本語に対応した際には、楽しんでいただけると嬉しいです!私たちは日本のゲームをプレイして育ちましたので、私たちのゲームがまた誰かにインスピレーションを与えることができれば素晴らしいと思っています。
あと、お願いですから『スーパーマリオRPG 2』を作ってください!任天堂が望むなら、私たちが作りますので!
――ありがとうございました。
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本連載は、リリース直後のインディーデベロッパーにメールで作品についてインタビューする連載企画です。定期的な連載にするため質問はフォーマット化し、なるべく多くのデベロッパーの声を届けることを目標としています。既に500を超える他のインタビュー記事もあわせてお楽しみください。