
「気付いたら、開発中のゲームの"公式サイト"を勝手に作られていた」……そんな話が、海外掲示板Redditで話題になっています。いったいこれは何を狙っているのでしょうか。
公式サイトを勝手に作って削除要求にも応じない……ゲーム制作者を狙う新たな手口

今回「公式サイトを勝手に立ち上げられた」と主張しているのは、2026年リリース予定のアクションゲーム『Shroomwood』の開発者です。氏は最近Steamのページを作成し、いざ自身で公式サイトを作成しようとドメインの入手に動いたところ、何者かに"shroomwood.com"のドメインを先に取られていたといいます。
同サイトを確認したところ、ゲームの丁寧な解説やスクリーンショット、プレイ動画などが掲載されており、一見した限りではまともな「公式サイト」に見えます。しかしながら、スクリーンショットや動画はSteamやYouTubeで公開済みのものを転載したのみで、ゲームの概要は「私が作ろうとしているものからは程遠い、AIで生成したのだろう」と開発者は述べています。
開発者は周囲の友人や知り合いのゲーム開発者に「こんなサイト作った?」と聞いて回りましたが、誰も作った覚えがないとの事です。
その後、ドメインの所有者を調べたところ、「過去にプロジェクトのマーケティングを持ちかけてきた人物」という事が判明しました。開発者はその話を持ち掛けられた時は資金不足と、まだゲームの完成まで程遠いためその提案を断っていました。
改めてこのマーケティングを持ちかけた人物にDiscordを通じて接触を図ったところ、このニセ公式サイトを作成したことは認めたものの、削除依頼に関しては「しばらくお待ちください、すぐに戻ります」と返答したのち、48時間一切回答がないという事です。開発者はこの人物とのやり取りから、「彼らは英語を母国語としないことは明らかだ」と述べています。
開発者は今後のやり取りについて「冷静かつプロフェッショナルな態度を取り、妥当な価格で解決することを望んでいますが、弁護士に相談し、他のドメインを取り、商標登録をすることを検討しています」と、解決が一筋縄では行きそうにないことを示唆しました。
現時点ではニセ公式サイト作成者の要求がないため、ニセ公式サイトを作成した意義は謎に包まれていますが、マーケティングの許諾を得ないままサイトを作成し、改めてマーケティングを認めさせるという意図や、あるいは悪意が多大に含まれているのなら、高価でドメインの売買を持ちかける「ゆすり」目的の可能性もあるでしょう。有名なメーカーや人物に関するドメイン名を先に取ってしまい、高価で転売する……という行為は過去にも多くありましたが、それが小規模なインディー開発ゲームに対しても行われる時代になったのかもしれません。
これからSteamへと進出しよう!と思っているインディーゲーム開発者の皆様も、きちんとした公式サイトを先に作っておくなり、可能ならばドメインを先に取っておくなりするなど、こうした行為への対策を考える必要が出てきたといえるでしょう。