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マサチューセッツ工科大学の所有するメディアMITTechnology Reviewが、Overture Lifeというスタートアップ企業によるロボットを利用した人工授精実験が成功したことを紹介しています。そのロボットの操作に使われたのはPS5のコントローラー「DualSense」だといいます。
DualSense制御のロボットで2人の新生児が誕生
実験に使用された機器は顕微鏡、ロボット化された精子注入用の針、作業の場となるペトリ皿、制御用のPCからなり、DualSenseコントローラーはこのロボット針の操作に利用されました。操作を担当したのは不妊治療の経験の全くない機械工学科の学生でしたが、12個以上の卵子の受精に成功したとし、その後2人の新生児が誕生したそうです。
Overture Lifeによれば今回のデバイスは完全な体外受精の自動化へ向けた第一歩で、現在主流となっている手段よりもはるかに安価で一般的な手順となると語っています。操作を担当したEduard Albaさんは「ひとつの実験に過ぎないと感じられ、落ち着いて操作できました」と感想を述べています。
一方で今回の実験はあくまで人口受精の1プロセスに過ぎず、完全な自動化への道のりはまだまだ長いようです。また、他の医師や専門家からは方法の正確性や危険性に対して疑問の声もあがり、コロンビア大学の不妊治療クリニックの所長であるゼブ・ウィリアムズ氏は「現時点では人間の方が機械よりはるかに優れています。」とMIT Technology Reviewに語っています。
遊びだけに留まらないDualSenseの可能性
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繊細な操作が要求されることもあるゲームプレイのみならず、現実の医療でも利用できるDualSenseや、先日紹介した機関銃の遠隔操作に使われるSteamDeckなど、ゲーム機器にはさまざまな用途に転用可能され得る高度な機能を有していることがわかります。「play has no limits」がキャッチコピーのPS5ですが、DualSenseの可能性は遊びだけに留まらないようです。