公正取引委員会は、ニンテンドーDS向け液晶ディスプレイモジュールの価格カルテルに関する排除措置命令に関して、審判請求を行っていた2社のうち、日立ディスプレイズが9月25日に書面でこれを取り下げたと発表しました。報道によれば「事業に集中するため」とのこと。任天堂に対するニンテンドーDS向け液晶ディスプレイモジュールの納入に関しては、シャープと日立ディスプレイズの間で価格カルテルが結ばれていたとして、公正取引委員会が昨年12月に両社に対して排除措置命令と、シャープに対しては課徴金納付命令を行い、両社が不服として審判請求を行っていました。シャープと日立ディスプレイズの2社は、日立ディスプレイズがDS向け液晶モジュールの販売を開始するために任天堂と交渉を進めていた2004年10月以降、価格の下落を防止する必要があるとの共通認識に至り、提示価格を現行より100円を超えて下回らないようにするという合意が持たれた疑いです。また、DS Lite向け液晶モジュールに関しても、任天堂から価格引下げを求められていた2006年9月頃から2社は事前に協議を行い、当初の予定を上回る価格を提示した疑いです。排除措置命令では(1)他の事業者と共同で価格を決定しない旨を取締役会で決議を行う (2)従業員に対して周知徹底を行う (3)独占禁止法の遵守に関する行動指針の改定、定期的な担当者への監査 などが示されています。