不景気が後押しし、北米や欧州のゲーム販売店が中古ゲームを取り扱うケースが増えています。専門店のGameStop、GAME、Game Crazy、量販店のトイザらス、セブンイレブンそして巨人ウォルマートも専門業者との提携で中古ゲームに乗り出すと伝えられています。しかし中古ゲーム市場の拡大はゲームメーカーの収益に大きなインパクトを与えます。まさに日本のゲーム業界が十年以上前に体験したようにです。中古ゲームの市場からはゲームメーカーは収益を直接的には上げることができません。海外メーカーもその深刻さに気づき始めたようです。英国のデベロッパーBlitz Gamesの共同創業者のAndrew Oliver氏は業界にとって最も重要な問題は海賊版ではなく、中古ゲームだと話します。「私はどうしてゲームプレイヤーがゲームの売買を行うか理解します。ゲームは安い買い物ではなく、すぐにゲームをクリアしてしまったり、飽きてしまった場合に、次のゲームを購入するために古いゲームを売るということです」しかし、その売買が1つのソフトで何度も何度も繰り返されるようになると話は変わってきます。「小売店はそれによって収益を上げますが、デベロッパーやパブリッシャーはそこから収益を上げることができません。家庭用ゲーム機においては、海賊版よりももっと深刻な問題です」一方で、このような潮流に対する取り組みは既に始まっているとAndrew氏も強調します。エレクトロニック・アーツは新品のゲームに、ダウンロードコンテンツを無料で購入できるチケットを同梱する施策を始めています。コンテンツはゲーム機本体に保存されるため、売買した際に引き継がれません。中古のゲームはその分、価値が下がった状態になり、取り戻そうとするとお金を払って購入しなければなりません。そうするとメーカーにもお金が回ります。EAはこれを10ドルほどのコンテンツで行っています。また、任天堂などは中古ゲームとして売られにくい、手元に長く置いておきたいと思えるゲームの開発に力を入れています。
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