デジタル流通の進展で既存の小売店は凋落が避けられないという見方もありますが、米国最大のゲーム専門店チェーンGameStopはチャンスと捉えて積極的な投資を続けています。同社では様々なパブリッシャーと手を組み、パッケージゲームのダウンロードコンテンツをダウンロードするためのチケットの販売を店頭で開始。先日発売した『Call of Duty: Black Ops』の追加マップパックである「Escalation」は本編人気にも支えられ、ダウンロードコンテンツの中では最高の売上を記録したとのこと。当然「Escalation」はオンラインで配信されているわけですが、その決済を店頭でもできるというわけです。クレジットカードで簡単にオンラインで決済可能ですが、全米各地に存在し、気軽に入れるお店で購入する人も意外に多いようです。先日からのPSNの障害でクレジットカード情報の漏洩もありましたが、それは小売店にとってはプラスに働く可能性があります。また、米国を中心に欧米でも中古ゲームの存在がパブリッシャーにとっての悩みの種となっています。この対応のため、新作パッケージを購入するとダウンロードコンテンツを無償ダウンロードするチケットを封入する施策が増えています。こうしたダウンロードコンテンツ重視の姿勢も小売店にとっては新しい収入を伸ばすきっかけとなっています。(GameStopでは中古ゲームも取り扱っていて、こちらも好調)さらにGameStopでは店舗以外の流通への投資も加速させていて、PCを中心にゲームのダウンロードサービスを提供するImpulse、カジュアルゲームサイトのKongregate、そしてクラウドゲームサービスのSpawn Labsを去年から今年にかけて立て続けに買収。強みとなる店舗ネットワークを活かしたパッケージ流通と、新分野となるデジタル流通の双方で稼ぐ姿勢を明確にしています。GameStopによれば第1四半期のデジタル関連の売上は53%増となったとのこと。家電量販店の台頭でゲーム専門店という流通経路が弱い日本ではまた事情が異なりそうですが、大手がデジタル時代に上手く対応している事例として興味深いものがあります。
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