一般社団法人コンピュータエンターテインメント協会(CESA)の和田洋一会長(スクウェア・エニックス)は、東京ゲームショウ2012の開催発表会の席で挨拶に立ち、家庭用ゲーム機が登場して以来、二十数年間不変だったビジネスモデルの変化がゲーム市場を飛躍させるきっかけになると話しました。和田氏はまず昨年を振り返り、ソーシャルゲームに代表される新しいタイプのゲームに対する業界の温度差が無くなったと指摘します。「ソーシャルゲームが、一端末の特殊な現象、一ジャンルの特殊な現象ということではなく、全てのゲーム、全てのプラットフォームに適用できる新しいタイプのビジネスモデルを生んだという事が我々の中でも消化できてきました」ソーシャルゲームに対して既存のゲーム業界が苦戦している要因については「ゲームは家庭用ゲーム機が誕生してから二十数年間、同じビジネスモデルに乗って大きくなってきました。コンテンツの進化はあれど、他の携帯端末のようにビジネスモデルの進化はありませんでした。それが踊り場に差し掛かった原因ではないかと考えます」と分析。そして、「全てがアイテム課金になるということではありませんが、色々なタイプのビジネスモデルをお客さんも受け入れてくれるようになり素地が整いました。全てのお客様、全ての端末、全てのジャンル、それらのビジネスモデルが変わることによってマーケットが更に飛躍するきっかけになる一年になるのではないかと思います」と述べ、ビジネスモデルの変化が低迷する市場の変化を生むとの考え方を示しました。最後に和田氏は、そうした新しいタイプのゲームが披露されるであろう今年の東京ゲームショウは「世界から注目され、非常に期待できる、分岐点となるゲームショウになるのではないかと考えています」と挨拶を締めくくりました。
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