ゲームエンジンながら、今ではゲーム以外のさまざまな用途でも使用されているUnity。人気ロックバンドのBUMP OF CHICKENと、初音ミクのコラボ曲『ray』のPVで作成された特設映像でも、Unityが使用されています。もっともCG合成ではなく、プロジェクターで投影された初音ミクと演奏者を同時に撮影するという状況だったため、さまざまな工夫がなされました。
Unite Japanで4月8日、クリプトン・フューチャー・メディアの田地正宏氏は「円筒スクリーンを撮影する実写カメラにセンサーを設置してモデルを実写カメラに追随させる」と題した講演で、その一端を披露。なお、本講演の概要はYoutubeの初音ミク公式チャンネル内で、「【Hatsune Miku】初音ミク ドキュメンタリー テクノロジー編」として、動画でも開設されていますので、あわせてご覧ください。
はじめにPVの撮影状況について簡単に整理しておきましょう。スタジオの中央に直径3メートルの円筒形スクリーンが設置され、ここに初音ミク(本作のためにデザインされた「14モデル」)が投影されます。スクリーンの周囲にはBUMP OF CHICKENのメンバーが立ち、楽曲を演奏。その周囲にドリーに載せた実写カメラが配置され、スクリーンに対してぐるぐる回転移動しながら、演奏風景とスクリーン上の初音ミクを同時に撮影していく仕組みです。