コーエーテクモホールディングスは、平成27年3月期決算を発表しました。ゲーム業界は、国内の家庭用ゲーム市場は引き続き前年を下回ったものの、海外において「PlayStation 4」や「Xbox One」などの販売が牽引して全体の市場は前年を上回っています。また、国内外ともにネットワークを介してコンテンツを販売するデジタル分野が伸長を続けており、端末の普及と高性能化を背景としたスマートフォン向けゲームの成長も加わり、ゲームプラットフォームは多様化しながら、市場全体として更なる成長が期待されるとしています。このような経営環境下において、同社では経営方針「更なるIPの創造と展開」のもと、各種施策を実行。有力IPやゲームシステムを活用した大型コラボレーションを成功させ、アニメや映画、コミックなどのメディアミックスを通じてIPの展開を積極的に展開しました。また、利益率の高いダウンロードコンテンツやソーシャルゲームの伸長、費用対効果を重視したマーケティング展開などの継続的なコスト低減が寄与し、収益性が向上。株式相場の上昇や為替相場が円安で推移した影響などにより、有価証券関連損益も大きく改善しました。これらにより、同社グループの当期業績は、売上高が2期連続の増収、営業利益・経常利益・当期純利益が5期連続の増益となり、経営統合以来、最高の業績となっています。◆平成27年3月期の連結業績【期間】平成26年4月1日〜平成27年3月31日※()内%表示は、対前年期増減率■売上高:377億9900万円(0.6%)■営業利益:96億5200万円(35.2%)■経常利益:135億6800万円(26.5%)■当期純利益:94億3400万円(36.0%)◆◆◆ ◆◆◆ ◆◆◆セグメント別に見ると、ゲームソフト事業では、任天堂とのコラボタイトルWii Uソフト『ゼルダ無双』のリピート販売が好調となり、ワールドワイドで100万本を超える出荷となりました。また、第4四半期には同社グループが開発を担当したスクウェア・エニックスのPS4/PS3ソフト『ドラゴンクエストヒーローズ 闇竜と世界樹の城』や、バンダイナムコエンターテインメントのPS4/PS3/PS Vitaソフト『ワンピース 海賊無双3』の両タイトルが多くのプレイヤーに楽しんでもらえています。国内では、『戦国無双』10周年関連施策でテレビアニメの放送や音楽・映像の商品化を行ったほか、PS4/PS3/PS Vitaソフト『戦国無双4-II』、3DS/PS Vitaソフト『戦国無双 Chronicle 3』と新作を2本発売し、大いに盛り上がりを見せました。また、PS Vita/PSPソフト『討鬼伝 極』、PS4/PS3/PS Vitaソフト『影牢 〜もう1人のプリンセス〜』、PS3『シャリーのアトリエ〜黄昏の海の錬金術士〜』などのコーエー、テクモ、ガストの各ブランドの新作がいずれも堅調に推移しています。海外では、PS4/PS3/Xbox One/Xbox 360/STEAMソフト『DEAD OR ALIVE 5 Last Round』がリリースされ、パッケージ販売とダウンロードコンテンツ販売の双方が好調に推移。さらに、スマートフォン向けアプリでは4タイトルの配信が開始されています。コラボレーション展開と新旧タイトルが好調に推移したことに加えて、デジタル販売の伸張や独自開発ツールの活用が寄与することで収益性が大きく向上し、経営統合以来、最高の利益が達成されました。オンライン・モバイル事業では、ソーシャルゲームにおいて、マルチプラットフォーム展開や継続的なイベント施策、他社タイトルとのコラボレーションを積極的に推し進めた結果、『100万人の信長の野望』『100万人の三國志』『100万人のWinning Post』などの『100万人』シリーズが好調に推移。また、『大航海時代V』を中国・韓国・台湾でサービス開始し、順調な立ち上がりとなっております。さらに、同社のゲームSNS「my GAMECITY」では、サードパーティのゲームをラインアップに加えるオープンプラットフォーム化などのサービス拡充が寄与し、会員数が70万人を突破しました。オンラインゲームにおいては、PS4/PS3/Winソフト『信長の野望 Online 〜覚醒の章〜』を発売したほか、各タイトルとも堅調に推移。これらの要因から増収増益を達成し、経営統合以来最高の売上高となっています。メディア・ライツ事業では、「ネオロマンス 20th アニバーサリー」、「金色のコルダ Featuring 天音学園 / Featuring 星奏学院」、「遙か祭2015 〜十五年の宴〜」ほか各種イベントを開催し、延べ7万人が来場。また、PS Vita/PSPソフト『遙かなる時空の中で6』をリリースし、好調な販売を記録しています。グッズ販売やソーシャルゲーム、ネイティブアプリも堅調に推移した結果、増収増益となり、売上・利益とも経営統合以来最高の業績を達成しています。◆平成27年3月期のセグメント別売上高【期間】平成26年4月1日〜平成26年12月31日※()内はセグメント利益■ゲームソフト事業:248億6300万円(77億9500万円)■オンライン・モバイル事業:67億3300万円(11億82800万円)■メディア・ライツ事業:27億4400万円(2億9400万円)■SP事業:20億2000万円(7億1800万円)■アミューズメント施設運営事業:15億8400万円(500万円)■その他(不動産・ベンチャーキャピタル事業など):7億7400万円(1億5500万円)■合計:387億1900万円(100億9800万円)◆◆◆ ◆◆◆ ◆◆◆今後の景気見通しとしては、国内は企業収益と雇用・所得環境に改善の動きが見られ、個人消費と併せて緩やかな回復が期待されるとしています。一方、海外では景気の下振れリスク等の先行き懸念は依然として強く、不透明な状況が想定されます。このような経営環境下において、次期は更なる成長性と収益性の実現に向け挑戦を続けるとともに、高い品質によって顧客に大きな満足を提供していきたいとしており、グループ経営方針「IPの創造と展開」のもと、新作タイトルの成功や当社の強みである国内外大型コラボレーションの獲得を目指し、スマートフォン向けビジネスの拡大や「三國志」30周年事業にも取り組みます。ゲームソフト事業では、新作タイトルと大型コラボタイトルに重点的に取り組みたいとしています。大型コラボタイトルには、レベルファイブとのコラボによる3DSソフト『妖怪三国志』や、スクウェア・エニックスとのコラボによるPS4/PS3/PS Vitaソフト『ドラゴンクエストヒーローズII(仮)』(いずれも発売日未定)などが発表されていますが、次期に発売されるかは現在のところ発表されていません。オンライン・モバイル事業では、4月にサービスインした『ぐるぐるダンジョン のぶニャが』をはじめ、国内・海外の新規ネイティブアプリの成功に向け、全力で取り組みたいとしており、既存タイトルも『100万人の三國志』をコロプラに提供するなど、マルチプラットフォーム展開と業務効率化を推し進め、収益の最大化を目指します。さらに「my GAMECITY」では、コンテンツの一層の充実を図り、集客力の強化に努めます。オンラインゲームでは継続的な施策を通じて強固なプレゼンスを確保していきたいとしています。
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