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Digital Extremesが開発するオンラインACT『Warframe』。F2Pとは思えないほどクォリティの高いアクションや、独特な世界観、そして「ニンジャなら無料」という印象的なキャッチフレーズで多くのテンノ(=プレイヤー)を生み出してきたタイトルです。
2017年の秋、その『Warframe』に「エイドロンの草原」という同作初のオープンワールドコンテンツが実装されました。今までのフィールドとは一線を画す広大な世界と、釣りや採掘などの様々な新コンテンツは、新規・既存問わず多くのプレイヤーから好評を得、PC版でのリリース後にはSteamの同接数が約12万人にまで増加。SteamのF2Pゲーム最高同時接続プレイヤー数第2位を記録しました。また、先日行ったGame*Spark Play!でも読者の皆様から高い評価を得ています。
そんな『Warframe』および「エイドロンの草原」について、Game*Spark編集部は、Digital Extremesにインタビューを打診。様々な作業でお忙しい中、これを快諾いただき、インタビューに応えてくれたコミュニティー・プロデューサーのレベッカ・フォード氏に「エイドロンの草原」含め様々なお話を伺うことができました。
なお、レベッカ氏は『Warframe』の公式生放送であるDevstreamなどにもよく登場している方で、日本メディアのインタビューに応えるのはこれが初めてとのことです。
――今回は、インタビューにお応えいただきありがとうございました。まず最初に、簡単な自己紹介をお願いできますか。
レベッカ・フォード氏(以下、レベッカ氏):『Warframe』のライブ・オペレーション及びコミュニティー・プロデューサーのレベッカ・フォードです。
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――「エイドロンの草原」がついにリリースされましたが、プレイヤーからの反応はいかがでしょうか。
レベッカ氏:今回のアップデートは、今までで最大のものです。実際、今回のリリースはとてもドラマティックなものとなっており、私たちのコミュニティーだけではなく、一般のオーディエンスにも“わぉ!”という興奮や好奇心などのリアクションを引き起こせたと思います。「エイドロンの草原」でできるすべての事を達成してやろうといういわば“病みつき”的な感情も生まれている様です。
ゲームから一時期離れていたプレイヤーもたくさん戻ってきて、過去のアクティビティーに加え、釣りや採掘、そして草原の探索など今までよりカジュアルなアクティビティーを大変楽しまれている様です。また、新しいプレイヤーの方々は、それらすべてを一刻も早く自分のモノにしようとしてくれている様に思います。
「エイドロンの草原」は、新規プレイヤーとエキスパート双方にプレイしていただける作品ですので、最初の数時間で一部の新しいプレイヤーの方々は、このアップデートを余すことなく楽しむためには、『Warframe』の全体を少し把握する必要がある事に気が付かれると思います。例えば、アークウイングの獲得にしても、ゲーム内で何時間か後に現れる火星探索がまずはじめに必要となっていたりしますしね。
また、我々は“日中”と“夜間”という時間枠を使い、プレイの手がかりになる様にゲームを設定してみました。日中のアクティビティーは、新規プレイヤーや、少しゲームに慣れているプレイヤーの方々をより対象に設定し、反対に夜の草原でのハンティングは、ベテランのプレイヤーの方々にご満足いただける様な設定にしてあります。また今回、バランス・安定性をゲームに加えると共にゲーム全体を向上させる為、たくさんのホットフィックスを開発しました。ゲームをより良くする為、バランス、調整、修正に注力した結果がこのゲームです。
『Warframe』のプレイヤー数は、ゲームの人気度を測定する目安となるかと思いますが、「エイドロンの草原」リリース後に、Steamでのゲームリリース以来の最高数となる121,377人を記録しました。この数字は、今年の3月に“Octaviaの賛美歌”で記録した69,526人のほぼ2倍となっています。この人数はSteam内での無料ゲームにおいて2番目に大きな数字です。
――なぜ、オープンワールドコンテンツを実装することになったのでしょうか。経緯を教えてください。
レベッカ氏:ハードな伝承ベースのシネマティック・クエストである「二番目の夢」と「内なる紛争」を過去2年間で制作後、開発チームは何か異なった事に挑戦したくなりました。『Warframe』の理解を深める為にどんな挑戦ができるだろう?異なった見方をする為にどんな風に自分たちを試す事ができるのか?過去の4年半で確実に進化した世界の新しい部分、異なった部分をどの様に考え出すのか?
我々は、“ランドスケープ”(これは、我々独自の“オープンワールド”を意味する言葉です)にするか否かを考えながら「エイドロンの草原」の制作を2017年3月頃に始めました。リサーチし、異なったアイデアを試し、過去最大のランドスケープに対応できる様にエンジンを改善したところでゲームの全容が形になってきました。釣りや採掘を加え、より良い採光と質感、新しい生物や洞窟などを加え、世界に日中と夜間の時間差を与えるシステムで草原に“生活感”を作り出しました。
サービスタイトルであるこのゲームの制作は決して終わる事はありません。実際、我々の“草原”の制作は終わっていません。直近のオペレーションである“疫病の星”も草原で繰り広げられました。すでに変化が起こっているのです!
――構想自体はいつごろからあったのでしょうか。
レベッカ氏:アイデア自体は、今年の1月から2月にかけて内部で色々と飛び交っていました。確実に着工し始めたのは前述の通り3月からです。TennoCon 2017でプレイ可能なビルドを制作したのち、リリースに向けて開発を進めました。
――「エイドロンの草原」は、エンドコンテンツに近いものになると思っていたので、かなり初期からアクセスできるのは意外でした。なぜこのような形にしたのでしょうか。
レベッカ氏:中堅からエキスパートのプレイヤーの方々を対象に、我々は過去に主要なアップデートをした事がありましたが、このスケールのアップデートは、すべてのプレイヤーを対象になされるべきだと感じました。
草原は、新規・既存、双方のプレイヤーが同時に混在する場所です。活動容易な日中と夜間のボス・ファイトという異なったレベルの素晴らしい挑戦が待っています。新プレイヤーは、日中に攻略しやすく目標を達成しやすくなっている等、どのようなコンテンツが彼らの為に実装されているかお分かりになっていただけると思います。新プレイヤーの方々が、時間の経過と共にレベルアップした際に起こる夜間のコンテンツもあります。
これらのミックスされたコンテンツが、新プレイヤーをゲーム内での成長へと奮起させ、レベルアップし、より良い装備を得て経験を積んで草原へ戻り、更にタフなコンテンツに取り組める様に出来ればと考えています。
我々は、組織的に機能する『Warframe』に永続的な強い社会的原理を望んでいます。『Warframe』のコミュニティーにおいて、ベテランプレイヤーの方々が、新しいプレイヤーの方々にゲームのコツなどを披露することを楽しんでいるのです。これは素晴らしい要素の一つです。ゲームをこよなく愛するプレイヤーによる、この様なちょっとした、しかし特別な寛容が新プレイヤーのゲーム開始をサポートしているのです。
ベテランプレイヤーはアイデアと共に、ちょっとしたサポートとガイダンス、そしてベテラン自身が最初に“そうか!”と感じた瞬間を共有して、新プレイヤーがゲームの楽しみ方を見つけ出す手助けをしています。彼らの善意を未来に繋げるのです。この様な形でコミュニティーの原動力を促進するゲームは多くはありません。我々のもとに、この助け合う素晴らしいコミュニティーがあるのは、大変恵まれていることだと思っています。
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――開発の間に何かひらめきの様なものはありましたか?
レベッカ氏:はい、ひらめいた事はいくつかありました。「草原」に釣りを含める事に関して冗談を言い合っていたりしましたよ。『Warframe』にとって、かなり異質なアイデアですね。一か八か的ペースの、とても速いゲームには真逆の発想です。ですが、我々が『ゼルダの伝説』の大ファンであった事もあり、“「エイドロンの草原」内で釣りのミニゲームなんてどう?”と思い付いたのです。たまにはスローダウンして少しの間、お友達と釣りを楽しむなんてどうだろう、と。『Warframe』のスピアフィッシングでは、昼夜で異なる生物が釣れます。これには昼夜のアクティビティーの二面性を強化するという面もあります。
また、釣りは、“オストロンの地位”システム及びリソース集めと結びついています。そして、ご存知のとおり、“魚油”は様々な事において重要な役割を果たすのです
――“魚油”といえば、アークウイングランチャーの作成に使うのはユニークに感じました。なにか理由はあるのでしょうか。
レベッカ氏:はい、魚油は面白いアイデアですよね(笑)。認めます。『Dishonored』内のシステムが“鯨油”によって成り立ち、スチームーパンクワールド内でちょっと奇妙に辻褄があっている(※)様に、『Warframe』でのメカニカルに関する事は、少しのオイルを加える事によってより良くなるのです。
(※編集部注:『Dishonored』の舞台・ダンウォールでは捕鯨が盛んであり、“鯨油”はゲーム的にも世界観的にも重要な資源になっている)
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――現状、「エイドロンの草原」に関して、課題や修正するべき問題点などはありますか。
レベッカ氏:我々には、「エイドロンの草原」のリリース以来に行った変更、修繕等の一覧として何ページにも及ぶパブリックパッチ情報があります。我々の作品はサービスタイトルとしてのゲーム、“ライブゲーム”であり、変化し続け、また考察し改善していきたいと考えています。
変更次項については、最良に要約され、均整され、すべてのシステムを修正し、少しでも草原を楽しんでいただける様にしています。完全な恩恵を受け凝縮されたリソースと共にご友人たちとチームを組んで草原を楽しむことができます。
――「エイドロンの草原」で行えるアクティビティーについて、今後アップデートで追加されることはありますか。
レベッカ氏:はい、もちろん「エイドロンの草原」にたくさんのアクティビティーを追加するプランはあります。この質問があがったのでお話しますが、着手したオペレーションとして時限のイベント、“疫病の星”というものがあり、プレイヤーは草原に落下した“感染した流星体”を食い止めなければいけません…!報酬には感染したZawのパーツを用意しました。
それと、最新のDevsteamにて、たくさんの素晴らしい追加プランを紹介させていただきました。ダイナミックな気象システムについての取り組み(これは、前述の昼夜システムと連動するものです)や、衝撃・貫通・切断ダメージシステムの見直しについても詳細を明かしました。これはプレイヤーに推奨されるZawカスタマイズ・フィーチャーで、より大きいダメージを与える為に武器を強化するものです。
また、ノコギリを振りかざし、2つの火炎放射をもち、草原の地表で培養される、たちの悪い新グリニアエネミー・Ghoulsについて紹介させていただきました。彼らは身の毛もよだつような気持ち悪いグリニアですが、同時に完璧に進化したグリニアでもあるのです。とあるGhoulsには、フックのついた長い舌があったりします。オエッ!
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――エイドロンテラリストのような大型ボスの種類を増やす予定はありますか。
レベッカ氏:はい。テラリストよりもスケールが大きく、巨大な岩をも握る事ができる“Megalyst”を紹介する予定でいます。Megalyst戦では、新しい戦いの数々を提供できるので、テラリストを負かしたプレイヤーでも、Megalystの攻撃の癖やパターンを学ぶ必要がありますよ。いくつかの攻撃自体はTeralystと似ていますが、更に攻撃的です。
そちらとは別に、将来のアップデートに登場する、より大きく全く異なったエイドロンもご紹介しました。まだ名前のないこの壮大な獣は、刃の様な腕で歩き回り、思うがままにオープンワールド内を飛び回るかもしれません。
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――今後、オープンワールドに特化した、もしくはフィールド内でとても有用なアビリティを持ったフレームやコンパニオンが登場することは有りえますか。
レベッカ氏:素晴らしい質問です!現時点でも「エイドロンの草原」内に、ご自身が育て上げたキャバットやクブロウを連れてきて戦わせる事ができます。現在、草原での新しいコンパニオンのアイデアとしてベストな案を考察しているところです。まだアイデアは固まっていませんが、ご期待ください!
――オープンワールドコンテンツは今後も追加されていくのでしょうか。
レベッカ氏:より壮大な質問として“Digital Extremesは、更に多くのオープンワールドコンテンツを「エイドロンの草原」外で展開していくのか?”という事になるかと思いますが、その答えは“Yes”です。「エイドロンの草原」で使用したテクノロジーをできる限り早急に他の惑星でも使用していきます。実は、すでにたくさんの惑星に関して作業を初めているのです!「エイドロンの草原」は、オープンワールドの第1作目となり、2作目は金星になります。
――「エイドロンの草原」はグリニアやセンティエントが主なエネミーとして登場していますが、コーパスや感染体、もしくはオロキンをメインに据えたフィールドが出る可能性はありますか。
レベッカ氏:素晴らしい質問ですね。かなりの確率で有り得ます。
――今後、『Warframe』』のコンテンツの主軸はオープンワールドに移っていくのでしょうか。従来のコンテンツとのバランスはどうなるのでしょうか。
レベッカ氏:こちらについては、いつも『Warframe』の開発の展望が見えた時に答えを見出そうとしています。『Warframe』のプレイを今まで以上に迫力のあるものにする為に、どのような新しくナイスなコンテンツを実装するのか、熱心なファンでいてくれている既存のプレイヤーと新しいプレイヤー双方により良く貢献する為に、『Warframe』のどの点を残し、またどの点を改善していくのか、これら2つの要点をきちんとパスしたら合格ですね!私たちは過去の4年半と同じフレーバーのコンテンツを作り続けると共に、新しいオープンワールドコンテンツも生み出していくつもりです。
――「Devstream100」であきらかになった新フレーム「Khora」について、なにかお話できることはありますか?
レベッカ氏:“Khora”は32人目の『Warframe』です。高性能な鞭を携帯する彼女は、カスタムキャバット(フレーム独自のもの)に命令を下す事ができるのです。そしてKhoraはプレイヤーの思い通りに衝撃・切断・貫通などのダメージタイプを変える事ができるのです。ダメージタイプの変更に使用するシステムは、IvaraのQuiver(※)と似ています。Khoraのユニークな能力として他に挙げられるのは、彼女の外観がプレイヤーが選んだダメージタイプで変化するという事です。最後に、彼女の獲得クエストについての詳細はまだありませんが、シンジゲートに関連したものになると思います。
(※編集部注:Ivaraのアビリティ“Quiver”は、4つの異なる効果をもつ矢を、状況に応じて切り替えながら使用できる)
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――TennoCon 2017で発表された「Excalibur Umbra」の実装について、現時点で追加の情報などはありますか?
レベッカ氏:愛すべき“Excalibur Umbra”についてですね。今のところまだ詳細は決まっていません。Excalibur Umbraは、我々が現在進行中のプロジェクトで、次のシネマティック・クエストとなる“The Sacrifice”の一部という意外、今のところ詳細は決まっていません。
――日本の読者、そしてテンノたちに一言メッセージをいただけますか。
レベッカ氏:日本のテンノの皆さん、こんにちは!『Warframe』のスタイルは、皆さんの素晴らしい歴史と文化に影響を受けています。『Warframe』をプレイしていただき、そして私たちにこのプロジェクトを更に進めていくチャンスをくださり本当にありがとうございます!We love Japan!
――ありがとうございました!