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8月3日、ゲーム・エンタメ業界向けに、コミュニケーションツール「Slack」の導入事例について紹介するセミナーが、オンライン上で行われました。ゲストスピーカーとして、アマゾン ウェブ サービス ジャパンとサイバード、ワンダープラネットの3社が参加。
セミナーでは、Slack連携によるゲーム開発・運用を効率化するアイデアや、Slackソリューションの「Enterprise Grid」の活用事例など、様々なトピックについて説明が行われました。本稿では、ゲーム業界で導入が進むSlackの様々な活用方法について解説されたセミナーの模様をお届けします。
ゲストスピーカー紹介
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吉田英世氏
アマゾン ウェブ サービス ジャパン
技術統括本部 ゲームエンターテイメントソリューション部 部長
開哲一氏
ワンダープラネット
執行役員 VPoE
根岸秀樹氏
サイバード
Voice UI部 / 部長 総合プロデューサー
ゲーム運営効率を最大化するためのイベント駆動とSlack連携
登壇者:吉田英世氏
Slack Technologiesと、企業内のコラボレーションを強化するソリューションの提供に向けた戦略的パートナーとして複数年契約を発表しているAmazon Web Services(以下 AWS)。「Slack Calls」内でビデオ会議ツール「Amazon Chime」が利用できるなど、両者間で様々なサービスが活用されています。
AWSの吉田氏はまず、イベント駆動アーキテクチャについて解説しました。イベント駆動アーキテクチャとは、システムで発生したイベントを別のシステムに伝達し、メッセージを受け取った側は新たな処理を実行する、ソフトウェアアーキテクチャのこと。多くの業種のビジネスアプリケーションで活用されており、疎結合で非同期という特徴から、それぞれのコンポーネントをスケールしやすいというメリットがあります。
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そんなイベント駆動アーキテクチャをAWSで実現するサービスが「Amazon EventBridge」です。AWSサービスやSaaSのアプリケーションで発生したイベントにルールを適用し、イベントコンシューマーとなるAWSのサービスに渡す機能を有しています。サービス連携を管理するイベントパスとして動作するため、アプリケーションごとにプロデューサーとコンシューマを設定する必要がなく、実装をシンプルにするメリットがあります。
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また、Slackの連携で非常に重要なのが、「AWS Chatbot」というサービスです。AWS Chatbotについて吉田氏は、「SlackのチャンネルやAWSのコミュニケーションツールであるAmazon ChimeとAWSリソースを連携させるためのサービスで、Amazon SNSと連携した通知や、Slack上からコマンドを取り込んでAWSのCLI(コマンドラインインターフェイス)を実行できるサービス」だと説明しました。
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最後に吉田氏は、SlackとEventBridge/Chatbotの連携について、デモンストレーションしました。ゲームの応用例として、ゲームサーバーのスケーリングイベントについてのSlackへの通知、Codeシリーズとの連携でサーバーのデプロイステータスをSlackに通知すること、DAUやCCUなどの集計結果をSlackチャンネルへ定期的にレポーティングしつつそのデータをダッシュボードWebに反映するといった、応用例を挙げました。
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ちなみに、AWSは、マルチプレイヤーゲーム用のクラウドサーバーの運用やスケーリングを行うゲームサーバーホスティングソリューション「Amazon GameLift」や、オープンソース化されたゲームエンジン「OPEN 3D ENGINE」など、ゲーム業界にフォーカスをしたサービスも行っています。今後は、BaaS(バックエンド機能を提供するサービス)プラットフォーム「Amazon GameSparks」もリリース予定です。
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Slack導入からEnterprise Grid導入までの変遷と活用事例
2016年にチャットツールをSlackへ移行したというワンダープラネット。その理由について同社の開哲一氏は、「(Slack)はエンジニア目線で外部サービス連携が取りやすかった」からだと説明。さらに、「絵文字リアクションでの気軽なコミュニケーションが魅力的に感じた」ことも挙げます。
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Slack内のチャンネルについては、Twitterやストアレビュー、掲示板の投稿などをチェックできるチャンネルを開発したとのこと。「(レビュー内には)ネガティブな反応もありますが、サービスにユーザーの声を反映させるためにもユーザーの声に真摯に向き合いました」と、チャンネルについて振り返ります。
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Slackを快適に利用し続けるためには、ガイドラインの製作は必須であるという開氏。プライベートチャネルやDMの利用を限定してパブリックチャンネルを活用を徹底すること、「@Channel」「@here」などは必要最低限に使い、広範囲に通知しないようにするなどの例を挙げました。
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他社との連携について、ワンダープラネットのワークスペースにゲスト招待を行うことができるため、やり取りの敷居が下がり、より密接なコミュニケーションができるようになったと言います。他社のSlackワークスペースとチャンネルを共有できる機能である「Slack コネクト」についても、積極的に活用していると続けました。
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また、リモートワークならではの使い方として開氏は、オンラインでの全体会同やウィンセッションを行う「リアクションチャンネル」、勤務開始を終了を報告する「勤務開始・終了報告」、社員同士で報酬を贈りあうことができる仕組み・制度である「(Uniposの)ピアボーナスのチャンネル」を設けていることを紹介しました。
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「Enterprise Grid」を導入のきっかけについては、「一つのワークスペースを適度なサイズに分割したい考えがあった」とコメント。分割する手順について、元のワークスペースをオーガナイゼーション(OrG)に追加し、分割先ワークスペースを作成、チャンネルやユーザーを各ワークスペースに移動したのち、アプリ連携・ユーザーグループの再設定を行ったと説明しました。
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Slackが導く新しいワークスタイルへの挑戦
コロナの影響もあり、2021年3月末から、全社員原則在宅勤務を行う方針に舵を切ったというサイバード。同社の根岸秀樹氏は「コミュニケーション円滑化を図る手段の一環として、Slack導入の検討を始めました」と言います。リモートワークに移行した直後では、発信者の選ぶツールに合わせてツールを切り替え続ける必要があったことから、ビジネスOSとして中核にSlackを据えることを考えたそうです。
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そのため、社内の各種公式ツール群の上位に据えたSlackに全ての情報やリソースを集約させ、“Slackを見ていれば全ての仕事が始まるような環境”に変革を行ったとのこと。その後、全社に向けたオフィシャルのメッセージチャンネルを形成し、各プロジェクトのグループチャットや、業務内容に応じてはプライベートチャンネルを組成したと言います。
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能動的にコミュニケーションを行うための仕掛けとして、数字を各チャンネルに付け、優先順位が高いものから上から並ぶように部門や用途を区切るといった施策も行ったとのこと。各部門から自由に発信・参画・検索ができることで、有志が繋がりやすい設計になっているそうです。
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Slackの全社導入から急速に全部門でのアクティブ化が進み、リモートワークインフラの中核として定着。外部企業とのやり取りについても、Slackコネクトによる接続が推奨されており、スムーズで迅速なプロジェクトの進捗に役立っているとのことです。現在は112件のオーガナイゼーションと繋がっており、Slack コネクトを利用したメッセージも累計で95万7千と上昇しています(※2021年8月3日時点)。
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根岸氏は最後に、今後の課題として、コミュニケーションの得手不得手や人と人とのセレンディピティ(予期せぬ幸運との出会い)、チャンネルマネジメントがあることを挙げ、セミナーのまとめとしました。
質疑応答
セミナーの最後には、本講演に登壇したスピーカーの4人への質疑応答が行われ、参加者からはSlack導入における考えなど数多くの質問が寄せられました。その一部のやりとりをまとめてお届けします。
――開発・制作現場でSlackを連携させたユースケースはありますか?
開哲一氏(以下、敬称略)ゲームの制作過程でディレクターの承認やプロデューサーの承認が必要になる場面が多いので、承認作業をSlackに集約できる部分が便利なポイントだと感じています。
根岸秀樹氏(以下、敬称略)任意のSlackチャンネルにメールを連携させることで、メールのメッセージも集約して確認できるのが、手間が省けて便利です。
吉田英世氏(以下、敬称略)AWSのサービスについてご意見をお伺いするために、チャンネルやワークスペースを設けております。そのチャンネルにユーザーの方に入ってもらい、直接開発者とシミュレーションが出来るような体制を整えています。
――Slack コネクトにおける社内の開発現場と企画営業側との連携について、どのようなメリットがありましたか?
根岸Slackを中心に告知があり、Web会議上で全社員・関係者が集まり、サマリーがストック情報となっていく流れがあります。そのため、Slack コネクトは重要な役割になっていると言えます。
開新しいサービスを企画・実行する際など、必要な人材がリモートワークでありながら部署を越えて集まれるようなチャンネルの使い方ができています。
吉田Slack コネクトはお客様の案件を思案する際に、多くのメーカー同士で効率的なコミュニケーションが行えるため、とても活用しています。案件の進行スピードも速くなったように感じていますね。
Slackの導入経緯導入の効果をはじめ、ゲーム業界特有のSlackの使い方について、各企業のリアルな声を通しての説明・紹介が行われた本セミナー。リモートワーク環境におけるゲーム開発のコミュニケーションに悩んでいる方や、他企業とのより効率的な連携などを検討している方は、Slackの導入でその課題や悩みが解決するかもしれません。詳しくは下記サイトよりお問い合わせください。
Slack 公式サイト