
アメリカの老舗ゲーム企業ATARIは、巨大ゲームデータベース「MobyGames」を150万ドル(約1.7億円)で買収したと自身のウェブサイトで発表しました。
今回の買収は、昨年のレトロゲーム専門クラウドゲームサービス「Antstream」に対するアプローチから続く戦略的な投資によるものです。
「MobyGames」はゲームに関する記録を後世に残し、歴史的な研究やユーザーによる評価を行うために運営されているデータベースウェブサイト。現在から1950年代後半まで保管されたデータはPC、コンソール、アーケードでリリースされたタイトルについて、それぞれクレジット、スクリーンショット、フォーマット、リリース情報などが網羅的にまとめられています。利用者はクレジットに並んだ開発者の名前をクリックするだけで、その人物が手掛けた他作品のリストを確認できます。

今回の買収についてATARI CEOのWade Rosen氏は「MobyGamesのコミュニティはゲームの歴史にとって重要な役割を果たしており、その活動をサポートすることで、コミュニティに恩返しを行い、またその成長と成功に貢献したい」と語り、「MobyGamesという場を完全に維持しつつ、貢献者・利用者双方にとってより良い形でウェブサイトを支援したい」としています。
またMobyGamesのゼネラルマネージャーであるJeremiah Freyholtz氏は「ウェブサイトの長期的な改善計画を支えてくれるパートナーを見つけた」、「ATARIのおかげで、コミュニティ主導によるMobyGamesというプロジェクトを今後も続けていくことができる」とコメントしています。
1972年に発売された『PONG』から一躍急成長を遂げ、ゲーム史にその名を刻んだ企業でもあるATARI。最近では新しいゲームハード「Atari VCS」を発売し、来たる4月には新規オリジナルIP『Kombinera』のリリースを控える同社ですが、ゲームの歴史を記録しその文化を伝えるような活動にも力を入れているようです。