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ソニー・インタラクティブエンタテインメントの社長兼CEOであるジム・ライアン氏が社内向けに送信した人工妊娠中絶や飼い猫の誕生日などに関するメールが、従業員より顰蹙を買っているようです。
現在アメリカでは、1973年に人工妊娠中絶を合法化した「ロー対ウェイド判決」を覆すような内容の連邦最高裁判所の草案の存在が流出し、それを「最終的な立場ではない」としながらも本物と認めたことで、さまざまな抗議活動が起こっています。
SIEによる買収が進行中の『Destiny』開発元・Bungieもこれに抗議し、「人権に対する直接的な攻撃」と批判。「生殖に関する選択と自由のために立ち上がることは決して難しい決断ではなく、これらの価値観を守ることに専念し続ける」と述べています。
Bloombergが報じたところによると、ジム・ライアン氏は12日に社内向けにメールを送信。同メール内では中絶問題などいくつかの時事問題に対し、「異なる意見を尊重する」ように呼びかけたといいます。SIEとコミュニティは「多面的かつ多様であり、多くの異なる視点を持っている」と述べましたが、自身の立場は明らかにしなかったようです。
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また、時事問題に言及した後は「世界の出来事に対するストレスを和らげられるよう、みんなを鼓舞するのに役立つ軽快なものを共有したい」として、数段落にわたって飼い猫の誕生日だったこと、猫の誕生日ケーキ、猫の鳴き声、そしていつか犬を飼いたいという願望を語りました。
このメールについて、複数のPlayStation Studiosの従業員が「権利や問題が軽んじられ、矮小化されているように感じる」と同氏のメールの論調に不快感を表し、「ネコの誕生日に関してこれほど怒りを感じたことはない」と語る従業員もいたとのことです。