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Steam版『アリス マッドネス リターンズ』の配信が、パブリッシャーであるエレクトロニック・アーツ(EA)のリクエストにより停止されたことが明らかになりました。EAからの声明も無く唐突にも思える今回の措置ですが、その背景には情報の行き違いがあったようです。
本作は、ルイス・キャロル著「不思議の国のアリス」「鏡の国のアリス」を原作としたアクションアドベンチャーゲーム『アリス イン ナイトメア』の続編です。2016年にSteam版の配信が停止されたものの2022年3月に復活していましたが、記事公開時点のストアページでは「パブリッシャーからのリクエストにより」販売が終了したことが記載。本件に関して、記事執筆時点でEAから声明は出ていません。
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ところが同作プロデューサーを務めたアメリカン・マギー氏によると、同開発元Spicy Horseの別ゲーム『Akaneiro: Demon Hunters』が原因の一端を担っているようです。
『Akaneiro: Demon Hunters(Akaneiro)』ではログインができない問題が発生しており、開発者自らが仕様の穴を突いた回避方法を提供しました。ですが最終的に同社は『Akaneiro』の配信停止を決定しています。
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しかし、当時の担当者は『アリス マッドネス リターンズ』等の作品が、マギー氏が運営するMysterious社のアカウントに移行していたと思い込んでおり、Steam運営のValveサポートに「全ゲームのシャットダウン」を指示してしまったそうです。
結果、『Akaneiro』の巻き添えになる形で配信が停止されてしまった『アリス マッドネス リターンズ』ですが、マギー氏は本件解決のため「Valveサポートに連絡を取っている」といいます。
なお、販売停止の引き金になった担当者ですが、元々全ゲームを新しいSteamアカウント(Mysterious社のものと思われる)に移行する役割を担っていたものの、現在は「もういない」とのこと。退職したのか、別の役職に就いたのかは明言されませんでしたが、既に本件に関して責任を取る立場ではないことが明かされています。
※UPDATE(2022/06/20 11:14):本件に関わった担当者の近況について追記しました。