国内唯一の「ゲームビジネスに特化したマーケティングリサーチ&コンサルティングファーム」を行うゲームエイジ総研は、モバイルゲーム『ブルーアーカイブ』においてゲーム内夏季イベントがユーザー数にもたらした変化を確認できるiGageデータを公表しました。
ゲームエイジ総研は、自動取得したアプリ利用ログとWebアンケートを融合させた次世代型マーケティングデータサービス「iGage(アイゲージ)」で知られています。
また、モバイルゲームはアクティブユーザーを増やすために数多くのインゲームイベント施策が実施されますが、美少女ゲームにおいては夏場に開催されるキャラクターの水着バージョンなどが入手できるイベント(水着イベント)は特にユーザーの注目度、期待度が高いイベントとなっています。
それを受け、ゲームエイジ総研は2022年6月22日から水着イベント「アビドスリゾート復旧対策委員会」が開始された『ブルーアーカイブ』において、5月20日から6月26日の期間におけるアクティブユーザー数の変化、推移がうかがえるiGageデータを公開しました。
『ブルーアーカイブ』は、『アズールレーン』や『アークナイツ』の運営を行うYostarから配信されているモバイルゲームです。プレイヤーは学園都市キヴォトスの先生となり、学園都市で発生するさまざまなな問題を生徒たちと共に解決するストーリーが描かれます。魅力的な美少女キャラクターたちが3Dで動くRPGとなっており、特にキャラクターやストーリーが人気の作品となっています。
集計タイトル:ブルーアーカイブ
集計会社/集計方法:ゲームエイジ総研/iGage
集計期間:2022年5月20日~6月26日
ユーザー数の推移
2022年5月から6月にかけてのデイリーアクティブユーザーは安定的に10万人以上の規模で推移していましたが、水着イベントを告知する生配信が行われた6月17日からユーザー数が上昇。イベント開催初日となる6月22日には14.3万人となっており、前日比で2万人増加しています。
また、5月24日と6月8日にもユーザー数の微増が見られ、これはメインストーリーの追加や新キャラクターの実装が行われたことによる効果と見られています。

ユーザーの構成比
『ブルーアーカイブ』は男性向け美少女系ゲームということもあり、全体の9割が男性ユーザーで、その中の52.3%が20代男性となっています。それに30代男性と10代男性が続き、この3項目だけで全体の89.6%を占めています。

水着イベントがその3項目にあてはまるユーザーへ与えた推移を見ると、どの世代もイベント開始日となる6月22日にユーザー数の増加が見られますが、その中でも特に20代男性は6.25万人から7.6万人へと1.35万人増加しています。今回のイベントは、20代男性により大きな影響を与えたことが分かります。

ユーザーがほかにプレイしているアプリ
もっとも多かったのは『ウマ娘 プリティーダービー』で、同時プレイ率は41.3%となりました。第2位にはユーザー数の多さでも知られる『Fate/Grand Order』が33.1%でランクインするなど、トップ5はすべて20代男性に人気が高い美少女系ゲームで占められています。
また、第3位の『アズールレーン』と第5位の『アークナイツ』は『ブルーアーカイブ』と同じくYosterが運営を行うゲームで、この2本がランクインしてくる点も本作の特徴といえます。

新ストーリー追加日は平均プレイ時間が1.7倍以上に
先述した通り、水着イベントが始まった6月22日だけでなくメインストーリーが追加された5月24日と6月8日にもユーザー数に顕著な増加がみられましたが、平均プレイ時間の変化には異なる傾向が見られます。本作の普段の平均プレイ時間は30分前後ですが、メインストーリーが追加されたタイミングでは平均プレイ時間が50分以上に増加しています。
本作のストーリーはユーザーからの評価が非常に高く、追加されたその日のうちに読み切っているユーザーが多いため、ストーリー追加日の平均プレイ時間が長くなっているものと思われます。

『ブルーアーカイブ』の水着イベントは20代男性を中心に多くのアクティブユーザーを獲得しており、メインストーリーの追加ではユーザーの平均プレイ時間が増加していることが確認されました。
平均プレイ時間の増加は、ユーザーがそのゲームに集中し熱中していることを意味するので、ゲームを運営する企業にとって重要なKPIのひとつと言えます。『ブルーアーカイブ』においては、水着イベントで新たに獲得したユーザーを今後の追加ストーリーでさらに熱中させ、継続プレイヤー数を維持していくことが重要になるでしょう。
ストーリーやキャラクター人気の高いゲームの運営においては、同様の戦略をとるケースが多いと考えられます。今後も、このような特長を持つアプリの「仕掛けと動向」に着目していきたいと考えます。