ゲームエイジ総研は、モバイルゲームのユーザーがどれだけゲームに時間を使うかに関するレポートの結果を発表しました。
基本無料ゲームが多数存在するモバイルゲーム市場は「ユーザーの生活時間に占めるスマートフォンの稼働時間、およびそこに含まれるゲームプレイ時間の取り合い」ともいえます。モバイルゲームのユーザーたちは、どのようにゲームを遊んでいるのでしょうか。
利用データ:iGageデータ
iGageデータ:2022年9月1日~2022年9月30日の期間のデータ
端末稼働時間は若い年齢層ほど増加
まずは、年代別にスマートフォンの1日あたりの平均稼働時間を確認します。全体を俯瞰すると、ユーザーの70%以上が20分から120分未満の時間帯に収まっています。別途算出した全体の平均稼働時間は4.7時間でした。
もっとも端末稼働時間が長いのは10代でした。6割近くの端末稼働時間が120分を超えており、生活にスマートフォンが深く根付いていることがわかります。年齢層が上がるごとに、この端末稼働時間は短くなっていきます。【グラフ1】

ゲームプレイ時間の割合はどの年齢層も同じ
スマートフォンゲームのユーザーたちは、1日のうちどれだけの時間をゲームプレイに使っているかを見てみます。
特徴的なのは、どの年齢層もプレイ時間の割合には大きな違いがないことです。前項の年齢別端末稼働時間では若い世代ほど稼働時間が長くなる傾向が顕著でしたが、プレイ時間については大きな差は見られません。
どの年齢層もゲームプレイ時間は20分以上60分未満が最も多く、3割前後を占めています。【グラフ2】

ゲーム占有率は年齢層が上がるごとに増加
ゲームをプレイしているユーザーの端末稼働時間のうち、ゲームが占有している割合を比較します。年齢が上がるごとにゲーム占有率が増加する傾向が顕著で、60代は端末稼働時間の40%以上がゲームプレイに費やされています。
逆に若年層のゲーム占有率は他の年齢層に比べると低く、端末稼働時間と相対比較すると若年層はゲーム以外の用途でスマートフォンを長時間利用していることが分かりました。【グラフ3】

年齢層により端末の稼働時間は大きく異なりますが、ゲームプレイ時間には年齢層による変化はほとんど見られないことが分かりました。若年層はゲーム以外にもSNSやYouTubeのような動画共有アプリの利用時間が多く、端末稼働時間に占めるゲームプレイ時間が短くなっていると考えられます。
「若年層ほどゲームを長時間プレイしている」という先入観を持つ人も多いと思いますが、モバイルゲームに関してはそのような傾向は見られないということを今回のデータは示しています。言い換えるなら「若年層は長時間ゲームをプレイできるポテンシャルを持つにも関わらず、ゲーム以外の用途に多くの時間を使っている」ということを意味します。
モバイルゲームのビジネスは、ユーザーの限られた端末利用時間の取り合いです。モバイルゲームの開発や運営は端末稼働時間とゲームプレイ時間の関係性を認識し、「ユーザーが能動的にゲームに時間を費やしたくなる価値の創出」に着目することが必要ではないか…とゲームエイジ総研は今回のレポートをまとめました。