Twitterにて「ゲーム開発で最初に完成するのはグラフィックである」とするユーザーのツイートが議論を呼び、さまざまなゲーム開発者がそれに反論しています。
この話題の元になったのは『グランド・セフト・オート』次回作の開発中ビルドのリーク映像に対し、ユーザーがグラフィックの品質に対して不満を漏らしていることに「ゲーマーがゲーム開発の仕組みについてまったく理解していない」と苦言を呈したツイート。ツリーではさまざまな議論が巻き起こっていますが、その中で今回の火種である「ゲーム開発の流れを知ってるなら、ビジュアルは最初に完成することのひとつだとわかるはずだ」とするリプライにゲーム開発者が反論しています。
カルト教団運営とローグライトアクションが組み合わさった『Cult of the Lamb』の公式アカウントは、開発初期と完成版の比較映像を公開。最終的には羊がプレイヤーキャラとなりましたが、開発中は赤いウサギ耳や角の生えた白い牛などさまざまな案が検討されていたことがわかります。
アートディレクションなどが評価されているRemedy Entertainmentの超能力アクション『CONTROL』のリードデザイナーであるPaul Ehreth氏が公開した映像は、テクスチャの貼られていない内装やオブジェクトが目立ちます。本作は超能力で物を投げることができるのが特徴の1つですが、この映像では「THROW ME」と書かれたボックスが設置されており少しシュールです。
こちらはゲーム内グラフィックに直接つながらない少し例外的なものですが、8月31日に発売した実写ADV『IMMORTALITY』の開発初期段階ではかなりシンプルでアバウトなモデルを使用してコンテを制作していたようです。
可愛らしいイラストが目を引くリズムゲーム『Rift of the NecroDancer』では、『リズム天国』風のヨガステージを制作するにあたり開発者と思われる人物の画像を使用。こちらも実際のゲーム画面とはかなり異なります。
9月9日に最新作が発売されたばかりの『スプラトゥーン』も開発初期はイカやタコではなく、白と黒の立方体がインクを塗り合うというもの。開発者は「ごま豆腐ともめん豆腐の争いだったんです」と冗談めかして語っています。デザインからではなく機能から派生してデザインが決まるというスタイルで制作されているようです。
もちろんビジュアルの制作が先導して作られた作品が存在しないわけではないですが、多くの場合グラフィックやビジュアルは初期状態から幾度もの変更を重ね開発の進行とともに変わっていくことがわかります。Twitterの激しい議論から生まれたこの話題ですが、さまざまな開発者の興味深い話が飛び出ることとなりました。