日本ではまだ余り馴染みのないメーカーですが、ムービー再生エンジン「BINK」、音楽再生エンジン「Miles」は海外ではスタンダードと言ってもいい地位を築いています。「BINK」は最近ではトライエースの開発した『End of Eternity』で採用されています。
今回のGDCでは久々にアップデートされた最新版「Miles 8」がお披露目されました。長い間バージョンアップされてなかったそうで、初めて「サウンドスタジオ」としてデザイナーがサウンドスケープを構築できる機能を実装。海外で盛んに使われているようになっているライバルの「fmod」に伍していきたいと開発者の方は語っていました。また、「Miles」と「BUNK」はiPhoneへの対応も完了したということです。
新作のミドルウェアもあります。「Iggy」はFlashでオーサリングしたファイルをゲーム機上で動かすためのミドルウェアです。同種のミドルウェアに「Scaleform GFx」がありますが、同様にメニュー画面やHUDなどに力を発揮しそうです。入力フォームやボタンなどFlashのコンポーネントをそのまま利用でき、開発効率の向上が期待できそうです。
さらに今回の注目株は「TELEMETRY」というゲームの解析用ソフト。ソースコードの実機テストのログをこのソフトで解析することで、どの個所でパフォーマンスの低下が起こり、そこで行われている処理は何かということや、メモリがどこでallocateされ、解放されているかということをグラフィカルなタイムライン上で確認する事が出来ます。デバッグやQAテストでは、問題の原因となる場所を特定する労力が最大の課題になりますが、このソフトを使えば、問題個所を瞬時に見つけ出す事が出来ます。会場では、どのくらいの精度と実用性があるものかは分かりませんでしたが、日本の某大手メーカーの技術担当者も興味を示していたということで、実現すればかなりのインパクトがありそうです。リリースは夏頃を目途にしているとのこと。
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RADゲームツールズは本格的に日本でも展開していくということで、今後に期待したいですね。