任天堂は29日に平成23年度第1四半期の業績発表を予定していますが、報道によれば円高の影響で赤字転落が見込まれているとのこと。モーニングスターは、ゴールドマン・サックス証券の9日付レポートを引用し、「10年3月末と6月末の為替の差から計算上は700億円程度の為替差損もあり得、その場合の経常損益は382億円の赤字となりえる」としています。また、バークレイズ・キャピタル証券も14日付のレポートで、「最終赤字転落はさけられない」としているとのこと。欧州で各国の財政危機が噴出し、円高ドル安・ユーロ安の展開が続いていて、外貨を多数保有し売上も大きい任天堂に影響は避けられない情勢です。業績予想の前提となる為替レートは1ドル95円、1ユーロ120円としていますが、現在のところ1ドル87円、1ユーロ112円となっています。任天堂の岩田聡社長は先日の株主総会の席で「外貨でお金を持つことのメリットとデメリットをもう一度考えなければいけない時期にきているとは思いますが、一方で、為替というのは長期的には各地域の経済の活性、基礎力をもとに動くわけですから、長期的に考えると、いろいろな基軸通貨をバランスよく保有することが実は最も効果的であり、どんな場合にも備えられるのではないか、とも思っております。今は円高のことばかりが話題になりますが、いつ逆の流れが起こるとも限らないわけで、その意味では以前にも増して、バランスを考えなければならないと思います。」と外貨保有についてコメントしています。
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