ゲームによる職業訓練は効果的であるようです。University of Colorado Business Schoolで経営学を研究するTraci Sitzmann助教授は、ゲームで仕事を覚えるのが効果的か否かを調べる実験を行いました。Sitzmann助教授は6500名を「ゲームで仕事を教えられたグループ」と「そうでないグループ」に分割。それぞれの学習効率などを比較しました。すると、「ゲームで仕事を教えられたグループ」は「そうでないグループ」よりも仕事を把握している率が11%高く、仕事上の情報における記憶力も9%高いという結果が出ました。また、仕事する上でのスキルに関しても「ゲームで仕事を教えられたグループ」の14%が「そうでないグループ」よりも高い知識を持っていたそうです。職業訓練ゲームにはインタラクティブ性が重要なようです。Sitzmann助教授がチェックした職業訓練ゲームのうち16%は「あまりにも受動的」な内容であったとのこと。助教授は受動的すぎるゲームは他の訓練方法よりも効果的にはなり得ないとコメントしています。また、職業訓練ゲームを単体で使うのではなく、その前後に人間が指導を行うことで学習効率は最大になったそうです。助教授は「ゲームは職業訓練の代用品ではなく、ツールであることに留意してください。ですが、従業員をゲームに従事させることで、より訓練された労働力を得られるでしょう」とコメントしています。職業訓練ゲームを遊ばせることで熟練労働者を量産・・・というわけにはいかないようですが、人間教官のきめ細かな指導をパワーアップさせるためのツールとしては充分効果的、ということのようです。
【CEDEC 2014】ゲーム開発のノウハウを応用すれば、面白さと学習効果を合わせ持ったシリアスゲームを開発できる 2014.9.6 Sat 純粋な娯楽目的ではなく、教育・医療・福祉などの社会問題の解…