今月の転職市場では、一服ついた感もあったソーシャルゲーム関連が再び急増しました。特にWEB系のプログラマを求める傾向が強く、膨大なトラフィックを支えるサーバーエンジニアの求人も増えています。
ソーシャルゲーム業界が求めるのはWEB系技術を持った人材です。「ゲーム」と言っても、既存のコンシューマーゲームとはビジネスモデルや開発環境が大きく異なります。このことが、ソーシャルゲームにチャレンジしたいプログラマたちの障壁になっているのです。
他方、プランナーやディレクター、デザイナー職種では、こうした壁が比較的低いのが特徴です。特にデザイナー職ではWEBデザイナーよりも2D、3Dのデザイナーが求められる傾向にあり、コンシューマーからの転職がしやすい職種と言えます。
プランナーやディレクター職では、コンシューマーゲームとソーシャルゲームのビジネスモデル差を正しく認識できていることが大切です。
■競争激化のオンラインゲーム業界
MMORPGを中心とするオンラインゲーム業界は安定的に求人ニーズがあるものの、一時期ほどの勢いはなく、劇的に求人数が増加することもありません。オンラインゲーム業界は飽和状態に近く、競争が激化しているようです。運営にも多大な費用が掛かるビジネスモデルであるため、以前のような新規参入企業からの求人募集は影を潜め、一部の「勝ち組」企業が恒常的に募集を行うに留まっています。
■コンシューマー業界は沈黙
コンシューマー業界からの採用ニーズには、ほとんど変化が見られません。業績好調な一部の企業が積極的な採用を行っているものの、選考ハードルは相変わらず高く、転職は容易ではありません。厳しい経営状況下にあるディベロッパーからの転職希望者が増えている一方で、それだけの人員を受け入れるだけの求人数は無く、需要と供給のバランスが崩れていると言わざるを得ない状況が続いています。
■著者紹介
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1974年生まれ。山口県出身。山口大学人文学部卒。IT・インターネット・ゲーム業界に特化して採用支援を行う株式会社ワークポートの転職コンサルタント。ゲーム業界の企業担当を経験し業界の求人情報に精通。また、ゲーム業界関係者の転職相談を担当。毎月多くの現場の声に耳を傾けている。企業側の求人情報と転職活動を行う業界関係者からの情報を基にゲーム業界の転職マーケットを分析する。